ミトコンドリア機能障害の観点からみた膵β細胞保護に最適な治療法開発
Project/Area Number |
25931022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
坂本 絵里 横浜市立大学, 内分泌・糖尿病内科, 実験助手
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ミトコンドリア / エチジウムブロマイド / GLP-1受容体作動薬 |
Research Abstract |
【研究目的】ミトコンドリアは細胞内のエネルギー産生・代謝の中心的な役割を担い、その機能障害は膵β細胞の機能障害やアポトーシスにつながる。本研究の目的は、①膵β細胞ミトコンドリア機能障害の分子機構解明②ミトコンドリア機能障害の観点からみた膵β細胞保護に最適な治療法開発である。 【研究方法】マウス膵β細胞株であるMIN6細胞にエチジウムブロマイド(EtBr)を添加・培養して作製したミトコンドリア障害モデル細胞を用いて、GLP-1受容体作動薬であるExendin-4 (Ex-4)の効果をアポトーシス、及びインスリンシグナル関連分子の発現への影響を検討した。 【研究成果】これまでにMIN6細胞にEtBrを添加・培養することにより作成したミトコンドリア障害膵β細胞モデルにおいて、①グルコース応答性インスリン分泌(GSIS)の低下②GSISの低下をGLP-1受容体作動薬が改善作用を示す事の2点を確認している。今回、EtBrと同時にEx-4を添加・培養、72時間後のミトコンドリア分画を調製、Western Blot法で各種タンパクの発現について解析した。小胞体ストレス関連分子であるXBP-1、CHOPのタンパク発現を調べたところ、発現量が非常に弱く、EtBr、Ex-4何れの効果も不明であった。次に、インスリンシグナル分子であるIRS-2、PDX-1について解析したところ、両者ともEtBr添加により発現量が減少したが、この時のEtBr添加MIN6細胞にEx-4を併用しても、タンパクの回復は認められなかった。今回の検討で、Ex-4によりEtBrで減少したタンパクを回復させた分子は、MTCO1、COX2(ミトコンドリア構成タンパク)、Bc1-2、Bax(アポトーシス関連タンパク)、MafA(インスリン転写因子)であり、これらのタンパクがミトコンドリアに関連した分子が多い事から、GLP-1受容体作動薬が膵β細胞のミトコンドリアに働く事で、インスリン分泌の改善作用を示す可能性が示唆された。 【総括】GLP-1受容体作動薬は、インスリン分泌不全に陥った膵β細胞のミトコンドリア機能を回復させることで機能障害を改善する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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