Project/Area Number |
25931031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
田中 克宜 高知大学, 医学部附属病院, 理学療法士
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2013: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 経皮的神経電気刺激(TENS) / 対側短時間刺激 / 圧痛閾値 |
Research Abstract |
【研究目的】従来の経皮的神経電気刺激(TENS)を用いた疼痛管理法では、術後リハに応用するにはいくつかの問題点があった. そこで、片側下肢の筋収縮によって、即時的に反対側にまでおよぶ疼痛閾値が上昇する現象を術後リハに応用すべく、電気刺激を手術肢と反対側の運動神経に適用する方法を独自に考案した。本研究では、本法を用いて1. TENSによる新たな疼痛管理法での鎮痛効果、2. 実際の機能訓練に併用した際の有用性を明らかにしようとした。 【研究方法】健常人を対象に2種類の強度のTENSを用いて対側への鎮痛効果の検証を行い、より鎮痛効果のある刺激強度を用いて、術後疼痛症例を対象に有用性を検証した。 1. 健常人 : 健常成人25名を対象とした。刺激強度は、電気を感じ始める強度(感覚レベル)と筋収縮が起こり始める1.5倍の強度(運動レベル)とした。TENSは利き足下腿に30秒間通電した。疼痛評価は圧痛閾値を用い、計測部位は対側の下腿および上肢とした。各刺激強度で刺激中の鎮痛効果を比較した。 2. 術後疼痛症例 : 人工膝関節全置換術(TKA)症例11名を対象とした。運動レベルの刺激強度のTENS実施中に膝関節屈曲の機能訓練を実施した。TENSは非術側下腿に30秒間通電し、術側の下腿、上肢にて圧痛閾値を計測した。また、主観的疼痛強度をVAS (Visual Analogue Scale)を用いて計測し、機能評価は膝関節の屈曲可動域を計測した。 【研究成果】健常人においては、感覚レベルよりも運動レベルの強度での刺激中に、より大きな鎮痛効果が得られた。これにより健常人においては、運動レベルの刺激強度のTENSで対側にまで及ぶ鎮痛効果が短時間で得られることが明らかとなった。TKA症例では、5名でVAS、6名で膝関節屈曲可動域が改善し、鎮痛効果だけでなく機能的改善が得られた。TKA症例における効果においては個人差も大きくあり、適応症例を選択する必要があるが、本法も有効な疼痛管理法の一つであることが示された。
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