Research Abstract |
自然免疫の中心的役割を担う好中球におけるTriggering receptor expressed on myeloid cells (TREM-1)はToll-like recepter4 (TLR4)と協調的に働くことにより、細菌の貪食能を含めた自然免疫応答を増強すると報告されており、上気道においても重要な役割を担っているものと推測される。今回、鼻咽腔におけるインフルエンザ菌に対する自然免疫応答につき、TLR4 wild typeであるC3H/HeNマウス, およびTLR4 mutant C3H/HeJマウスを用いて、鼻咽腔における局所粘膜免疫応答につき、TREM-1およびTLR4を中心として解析を行った。 インフルエンザ菌溶液10μlを経鼻投与行い、投与後6,12,24,72時間に鼻腔洗浄液中のインフルエンザ菌生菌数を計測した。またFlowcytometric analysisにより鼻咽腔に遊走して来た炎症細胞数および細胞分画の計測、Ly-6G及びTREM-1の発現頻度を解析した。また、RNA抽出しTERM-1の表出についてリアルタイムRT-PCRを施行し検討を行った。インフルエンザ菌感染後12hr以降ではTLR4 mutant C3H/HeJマウスは有意に細菌クリアランスが低下しており、TLR4が細菌クリアランスに関係していることが推測された。感染後6hr-24hrにおいては、TLR4 mutant C3H/HeJマウスに比べるとTLR4 wild typeであるC3H/HeNマウスでは、好中球数も有意に増加しているのに加え、TREM-1の発現頻度も増加しており、TERM-1とTLR4が協調的作用し好中球の作用を活性化している可能性がある。以上よりTREM-1とTLR4は協調的に働き、好中球の作用を活性化させていると推測された。
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