腟液特異発現タンパク質を指標とした新規腟液証明法の開発
Project/Area Number |
25933002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
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Research Institution | 岡山県警察科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
居郷 哲央 岡山県警察本部刑事部科学捜査研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 腟液証明 / タンパク質 / 法科学 |
Research Abstract |
研究目的 犯罪現場等から採取される様々なヒトの体液についてその由来を同定することは、主要な個人識別手法であるDNA型鑑定に先立って行われており、犯罪捜査において極めて重要である。腟液は特に性犯罪現場に多く遺留される重要な体液種の一つであるが、その証明法は確立されていない。本研究では、腟液に特徴的に発現している2つのタンパク質を利用した新規証明法の開発を目的とした。 研究方法 ELISA及び逆転写(RT)リアルタイムPCR法により、(1)体液種特異性、(2)検出限界、(3)斑痕試料に対する適用性等について検討した。 研究成果 ELISAでは、2つの指標タンパク質は他の体液種と比較して生理周期に寄らず、高い吸光度を示した。陳旧化した腟液斑においても高い検出率を示し、ELISAによる法科学的な腟液識別が可能と考えられた。 RTリアルタイムPCR法では、2つの指標の内の1つは十分な体液種特異性を示さなかった。残りの1つは一部の唾液試料からも検出されたが、全ての腟液試料から検出された。そこで、唾液に特異的なHistatin3と組み合わせた同時検出を試みたところ、生理周期に寄らず、腟液の識別が可能であった。陳旧化した腟液斑痕においては検出感度の低下が認められたものの、高い検出率を示した。一方、腟液と唾液が混合している場合には識別が困難となる可能性が考えられた。 本研究において、2種類の手法による新たな腟液証明法を開発することができた。前者は検出感度、陳旧試料及び混合体液試料に対する適用性においてより有用であると考えられるが、RTリアルタイムPCR法では迅速な検査が可能である。試料の状態に応じて2つの検査手法を使い分けることで、より効率的な鑑定が可能になると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)