加熱分解による違法ドラッグの網羅的かつ迅速・簡便なGC-MS分析法の確立
Project/Area Number |
25933010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
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Research Institution | 九州厚生局麻薬取締部 |
Principal Investigator |
藤井 広志 九州厚生局麻薬取締部, 鑑定課, 鑑定課長
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2013)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2013: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 違法ドラッグ / 固相マイクロ抽出(SPME) / ガスクロマトグラフィー・質量分析(GC-MS) |
Research Abstract |
【研究目的】 違法ドラッグ(薬事法の指定薬物やその類縁化合物)による事件、事故が跡を絶たない。このような場合、乱用者が所持していたドラッグを迅速に特定できることは、救急医療現場での救命処置や捜査における証拠保全に極めて重要である。使用される違法ドラッグの形態は常温で気化しやすい液体、水溶性液体、粉末、植物片(いわゆる脱法ハーブ)等で、分析には試料の状態に合わせた特定の調製方法で行われている。本研究では、未調製試料を用い、どの形態にも対応した迅速且つ簡便な系統的試験法を開発することが目的である。 【研究方法】 試料をそのままの状態で密閉バイアルに入れ、常温、又はホットプレートで高温加熱したアルミナボール(直径0.5mm)充填容器内にバイアルを入れ、加熱と同時にバイアル内の気化物を固相マイクロ抽出(SPME)ファイバーに吸着させる。ガスクロマトグラフィー・質量分析(GC-MS)装置の注入口でSPMEファイバーから違法ドラッグを脱離させ分析を行う。各種形態による違法ドラッグのSPMEファイバーへの吸着条件及びGC-MS条件の検討を行った。 【研究成果】 常温で気化しやすい薬物は、常温でSPMEファイバーに5秒間の吸着で、次に揮発しやすい薬物については、加熱アルミナボール充填容器内に差し込んだ密閉バイアル底温度320℃(最終到達温度)で30秒間の吸着で、難揮発性薬物については密閉バイアル底温度320℃で7分間吸着させ、それぞれGC-MS分析[分析時間 : 2.6分(5秒吸着の場合)、12.4分(30秒又は7分吸着の場合)することで網羅的に違法ドラッグを分析することが出来た。試料の状態にかかわらず、3つの分析が順次可能であった。 本研究は、未知検体からいち早く違法ドラッグを特定する一次スクリーニングとして有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
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