Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本研究では、戦間期の国際連盟の人道問題への取り組みに対し、日本の対応を検討する。国際連盟は集団安全保障機能のほか、各国の人道問題を監視し、是正を勧告する機能を持っていた。一方で、人道問題は利害を持つ政治勢力や官庁が存在するために解決が遅れるという側面がある。戦前の日本政府は分権的な権力構造を持っており、連盟の活躍した戦間期には政党がその統合を果たしていた。日本政府の人道問題への対応を検討することで、政党の統合能力の真価と限界が析出できるだろう。それは、人道問題が解決されなかった政治力学を解明することにつながる。