Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
氷期と間氷期を繰り返した第四紀の気候変動は生物の分布や分化に大きな影響を与え、集団の隔離とそれに伴う種分化を引き起こした。第四紀の種分化は、分化年代が比較的新しく、当時の環境や分布を推定しやすいため、地理的隔離や適応による種分化メカニズムの解明に有効と考えられる。そこで本研究では、スミレサイシン類やクロモジ類など、日本の温帯に生育する地域固有種を複数含み、第四紀中に種分化が起きた可能性が高いと思われる5種群に着目する。各種群について、種内系統の分化から種分化までのプロセス全体を統一的に解析し、その結果を種群間で比較することで、日本の温帯性植物に共通する第四紀の種分化メカニズムの解明を目指す。