Project/Area Number |
26400386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田中 敏晶 お茶の水女子大学, 理学部, 研究員 (90626665)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2018: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2017: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2016: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2015: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2014: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 超対称性 / 準可解性 / 固有値方程式 / 行列微分演算子 / 不変部分空間 / リー超代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はN=4の場合のB型N重超対称性の性質を解明するための多角的な研究を遂行した。まず直接的なアプローチとして、四次元のB型部分空間を不変にする二階の線形微分演算子が満たすべき必要十分条件、並びにB型4重超対称電荷とintertwineする演算子のペアが満たすべき必要十分条件を導出した。この二組の条件が等価か否かを現段階で解明中である。 次に間接的なアプローチとして、高階微分演算子を用いる方法と行列微分演算子を用いる方法を試行した。高階微分演算子の解析では二階のときと同様にintertwineする場合には演算子間に拡張された超代数を満たすことが幾つかの例で実証することができ、その中には今までにない全く新しいタイプの代数関係を発見したが、必要十分性は成立しないことが示唆された。 この点を別の角度から検討するためにも有力視されるのが行列微分演算子の解析である。この種の演算子に対するN重超対称性は本研究課題採択以前に定式化したまま進捗がなかったが、本年度においてリー超代数の普遍被覆環を用いて準可解な演算子を構成する手法を援用するアイデアに思い至り、これを試行した。具体的にはosp(2/2)とq(2)と分類される二種類のリー超代数の行列微分演算子による表現を採用し、準可解性を満たすように構成された演算子がN重超対称性を満たす条件を解析した。その結果、代数条件はintertwineする条件よりも一般的には強いために必要十分性は成立せず、超電荷の行列構造が非対角になるような不変部分空間でなければ非自明なN重超対称性をもつ行列微分演算子が構成できないことを明らかにした。これらの成果について論文を執筆し、現段階で投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、本年度は既に一般系が求まっているN=3の場合の諸性質、特に形状不変性を満たす条件や分類問題を中心に解明する予定であった。しかしN=3における対称性がGL(3,C)というN=2の場合のGL(2,C)よりも大きい群であることが判明し、分類問題もそれだけ広範にわたって精査する必要があり、要する準備も増加したため、本年度は目に見える成果を挙げるには至らなかった。 その代わりに、当初は次年度以降の研究において力点を置いていたN=4の場合の研究において多くの研究成果を得ることができた。特に高階微分演算子における新しい代数構造の発見は新たな研究分野の開拓に繋がる可能性が高いので、研究の将来性において大きなプラスとなった。また行列演算子の研究は当初の研究計画の段階で想定していなかった新しいアイデアによって推進できた部分が多く、既知の準可解なモデルとの対応関係を部分的ながら確立するという副産物も得られた。従って総体的に見れば、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず第一に、N=3の場合についてGL(3,C)の群構造に沿った分類問題、特に中間段階にハミルトニアンが存在するための条件とその条件と共存可能なGL(3,C)変換の数を明らかにすること。それによって3ステップの形状不変性の構造解明と分類を行う。 次に、本年度得られたN=4の場合の種々の必要十分条件の相互関係を明らかにし、それらを具体的に解いていくことでN=4の一般形を求める。そして他のA型やC型の4重超対称なモデルとの関係を調べる。 高階微分演算子については、必要十分性について精査を続行するとともに代数構造の特徴や性質を解明していく。また粘性流体など、高階微分方程式が現れる物理系への応用についても考察する。 行列微分演算子については、他のリー超代数や表現によって構成できる準可解系への適用を推進する一方、成分を消去して高階微分演算子へ帰着させた場合に何が起きるかを調べる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度においては研究分野が当初の予定よりも拡大する見込みのため、そのために新たに必要となる資料収集のための諸経費や参考図書等の購入費用に使用する予定。
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