小児期被ばくにおける発がん起源細胞の同定とがん化に重要なシグナル伝達系の探索
Project/Area Number |
26830089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Field |
Tumor biology
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
坂入 しのぶ(平野しのぶ) 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線防護研究センター, 博士研究員 (30623904)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2016: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2014: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 放射線 / 小児期被ばく / 胸線リンパ腫 / 発がん / 胸線細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもは大人に比べ放射線による発がんリスクが高いと言われているが、このリスク評価を行うための基礎データは充分に蓄積されていない。これまでに、ヒト急性リンパ性白血病のモデルであるマウス胸腺リンパ腫の発がん実験において、小児期(1週齢)にガンマ線(4Gy)を一回全身照射すると、成体期(7週齢)に比べて発生率が増加することがわかった。本研究では、なぜ小児期に被ばくすると胸腺はがん化するのか、その原因を明らかにするため、①照射直後の応答と②胸腺が腫大する過程に焦点をあて実験を行った。実験①では、照射後の胸腺の回復に伴う細胞増殖・細胞死に着目し、照射後に分化・増殖が盛んな分化段階の細胞(サブタイプ)を特定し、がん化へ発展する細胞増殖メカニズムを推定する。実験②では、前がん状態から胸腺の腫大に至るまでを経時的に解析し、がんの発生に重要なメカニズムを明らかにする事を目的とした。 平成26年度は、実験①および実験②のサンプルを採取・保存するための実験系の確立を行った。初めに、照射後の胸腺細胞数の変化を経時的に調べた。具体的には、フローサイトメーター(FACS)を用いて、分化マーカーであるCD4とCD8の発現により胸線細胞をDN(double negative)、DP(double positive)およびSP(single positive)細胞(CD4SP,CD8SP)に分類し、全胸腺細胞の約1~2%しか存在しないDN細胞とISP(immature single positive)細胞については、マグネットビーズを用いて濃縮後、DN1からDN4そしてISP細胞を分類して細胞数を調べた。また、照射後増殖が活発な時期の胸腺細胞をサブタイプごとに分収し分子解析用に保存した。 以上の方法により、照射後の胸線細胞再生過程では、初期分化過程であるDN細胞が最初に増加し、特に1週齢被ばくでは7週齢被ばくに比べて、分化・増殖が活発であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)