地域高齢者における自覚的記憶障害と経年的認知機能低下との関連
Project/Area Number |
26906004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
社会学・心理学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
柚木 颯偲 金沢大学, 医薬保健研究域医学系, 研究員
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 自覚的記憶障害 / 認知症 / 早期発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】他覚的認知機能障害はないが自覚的記憶障害(SMI)がある地域高齢者は、将来、認知症または軽度認知障害が生じやすいかを明らかにする。 【方法】石川県七尾市中島町の60歳以上を対象に認知症に関する悉皆調査を実施した。初回調査時(平成22~25年度)の認知機能が正常で、MMSE24点以上、うつ傾向がなく、SMIに関するアンケート記入者が本人であった追跡調査(平成23~26年度)参加者の初回調査時のSMI(内容・程度)と追跡調査時の認知機能低下との関連について解析した。 【成果】追跡調査に参加した307名を解析した。年齢階層別の多変量ロジスティック回帰分析では、60-74歳では加齢[オッズ比(95%CI) : 1.42(1.07-1.89)]とApoE E4を有すること[7.67(1.33-44.28)]が認知機能低下に有意に関連し、SMIでは「約束を忘れることがある」の頻度が高いほど認知機能が低下する傾向[5.88(0.90-38.45)]を認めた。75歳以上では初回調査時のMMSE得点が高いこと[0.59(0.39-0.91)]、SMIの「新しい事を覚えるのが難しい」の頻度が高いこと[0.11(0.02-0.59)]が認知機能低下の抑制因子であった。 【考察】60-74歳の地域高齢者では、「約束」に関するSMIの頻度が高いと将来の認知機能低下が生じやすい可能性が示唆された。本研究では初回調査時の詳細な認知機能検査は実施しておらず、「約束」に関するSMIを有する高齢者が、ごく軽微な認知機能障害を有するのかどうかを今後検証したい。75歳以上では「新しい事」に関するSMIの頻度が高いことが将来の認知機能低下の抑制因子であった。新しい事に積極的に取り組む高齢者は「新しい事」に関するSMIの頻度が高くなりやすいが、認知機能低下を生じにくい可能性も考えられ、今後更なる検討をおこなう必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)