Project/Area Number |
26925004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | 鳥取県立博物館 |
Principal Investigator |
田中 宏卓 鳥取県立博物館, 自然担当, 昆虫標本専門員
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2014: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | カイガラムシ / 分類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
カイガラムシ上科昆虫は応用上重要な害虫群であるがこの分類群の研究は日本においては著しく遅れている。さらに近年ではこれまで日本から報告のない新規外来カイガラムシと考えられる種の発見も相次いでおり、外来種問題の上でも日本のカイガラムシファウナの全容解明が望まれている。こうした背景の下、日本において特にファウナの解明が遅れている本邦亜熱帯地域においてカイガラムシの分類・ファウナ研究を推進すべく、沖縄本島・奄美大島・徳之島などの南西諸島域を中心に計5回の現地採集調査をおこない、カイガラムシ類の採集と採集物の分類学的な検討を行った。この調査の結果、少なくとも日本未記録種と考えられる種が相当数(最低でもマルカイガラムシ科 : 5種、コナカイガラムシ科 : 2種以上)得ることができた。これらの種の分類学的な検討はまだ十分にできてはいないが、検討が済み次第随時学術誌上で報告する予定である。 また今回の調査途上、2012年に沖縄島から発見されている“ニセナスコナカイガラムシPhenacoccus defectus”が大量に得られた。本種についてはナスコナカイガラムシPh. solani, クロテンコナカイガラムシPh. solenopsisといった近縁種との関係について分類学的な問題が存在することが知られている。今回得られた本種の標本を利用し、海外の研究者と共同で海外産の標本も含めて本種の分類学的再検討を行った結果、Ph. defectusはPh. solaniと同種である可能性が浮上した。この結果について現在海外の研究者との連名で論文を投稿中である。 なお今回の研究の成果公表はまだ中途であるが、成果の公表が済み次第これらの結果を利用した市民教育用教材開発も行い、外来種問題の教育普及活動を行う予定である。
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