Project/Area Number |
26929020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅳ
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鳴海 克哉 北海道大学, 大学院薬学研究院, 助教
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2014)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2014: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | イマチニブ / TDM |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 イマチニブ(IMA)は慢性骨髄性白血病(CML)に用いられる分子標的治療薬である。近年、IMAの血中濃度(トラフ値)測定が保険診療で可能となったものの、副作用発現と血中濃度との関連性については明らかになっておらず、実際のCML診療において血中濃度測定はほとんど行われていない。そこで、北海道大学病院内においてIMAの血中濃度測定体制を構築し、CML診療におけるIMAの薬物治療モニタリング(TDM)を推進するとともに、血中濃度と副作用発現との関連性を明らかにするべく以下の検討を行った。 【研究方法・結果】 1. IMAの血中濃度測定系の構築 血中IMA濃度の測定は過去の報告(Miura et al. J Chromatogr Sci. 2011)を一部改変した方法を用い、HPLC法にて測定した。検量線は25-5000ng/mLの範囲で相関係数0.99以上の良好な直線性を示した。また、IMA服用患者(4名)の血中濃度を測定したところ、HPLC法とLC-MS/MS法(外部委託)による測定値には、良好な相関が認められ、本測定法が有用であることが確認された。 2. IMA服用患者におけるトラフ値と副作用発現に関する調査 北海道大学病院においてIMA服用患者(31例)を対象に、トラフ値四分位別(Q1-Q4)の有害事象発現率・グレードを調査したところ、Q4群(≧2033ng/mL)において赤血球減少、浮腫の発現率およびグレードが高い傾向が認められた。 【研究成果】 本研究では、IMAの血中濃度測定体制を構築し、院内におけるイマチニブの血中濃度を利用した治療マネージメントを可能にした。また、IMAのトラフ値上昇により、赤血球減少、浮腫などの副作用発現リスクが高まる可能性が示唆された。今後は症例数を追加し、さらなる解析が必要と考えられる。
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