癌原物質の代謝的活性化機構と発癌の特異性に関する研究-特にヒトへの外挿-
Project/Area Number |
61010065
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
加藤 隆一 慶応大, 医学部, 教授 (40112685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大垣 比呂子 国立がんセンター研究所, 生化学部, 助手 (00150201)
大西 克成 徳島大学, 医学部, 教授 (10037400)
出川 雅邦 東北大学, 薬学部, 助手 (50134002)
渡部 烈 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (00057316)
渡辺 民朗 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (40006101)
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Project Period (FY) |
1985 – 1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥11,900,000 (Direct Cost: ¥11,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥11,900,000 (Direct Cost: ¥11,900,000)
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Keywords | チトクロムP-450 / サルフォトランスフェラ-ゼ / O-アセチラ-ゼ / 種差 / ヘテロサイクリックアミン / ニトロピレン / 性差 / DNA傷害 |
Research Abstract |
がん原物質の発がん性の評価の最終ゴールであるヒトにおける発がん性を動物実験の結果から予測するために必要な発がん物質の代謝的活能の種差につき検討し次の成果を得た。1)ハムスターの肝より3種のチトクロムP-450を精製し、その性質をラット肝のチトクロムP-450と比較検討し、ハムスター肝ではラットと異なり、ベンズピレン水酸化活性が誘導されない原因を明らかにした。2)Tnp-p-1およびTnp-p-2のラット、マウス肝の代謝的活性化の発がん剤による誘導には性差があり、唯の方が高かった。Tnp-p-1の活性化能はマウスの方がラットよりも高く、特にTnp-p-2の活性化能は未処置マウスではラットの約10倍、Tnp-p-2前処置マウスではラットの4倍高かった。これらは、発がんの種差や性差の発現要因の1つと考えられた。3)glu-p-1のN-水酸化体はさらにO-アセテルトランスフェラーゼにより活性化される。肝における活性化能に著しい種差があり、ハムスターを100とすると、ラット38、ウサギ12、マウス1.0、モルモット0.2であり、イヌでは0.02以下であった。4)1-ニトロピレンのN-オキシドの生成には実験動物間で最大約10〜20倍の差があり、かつ種差の順位は1-NP-9,10-oxideと1-NP-45-oxideの生成間で全く異なっていた。5)7.12-ジメチルメベツアントラセン(DMBA)の活性代謝物メチル水酸化体の硫酸抱合による活性化につき検討し、ラット肝では硫酸抱合体の生成速度より、抱合体をGSH抱合体にする解毒反応が速いことが肝が発がん標的蔵器でない原因として示された。6)glu-p-1は投与後Hbと共有結合体を作ることが見出された。この共有結合はglu-p-1のニトロソ体を介して、HbのシスティンのSH基と反応したものと考えられた。7)MeIQxのF344ラットによる発がん実験において肝腫瘍の発生はCDFラットでは、マウスと反対に、雄の方が著しく高かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)