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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
予定した2次元非ケーラー的複素多様体では見るべき進展はなかったが、3次元複素多様体に関するある古典的問題について著しい進展があった。 問題:n次元複素多様体は、【P^n】と位相同型ならば【P^n】と解析的に同型か?この問題は、n=2の場合及びn一般で多様体がケーラー的な場合、小平一ヒルゼブルフ及びヤウの研究により、肯定的に解決されている。 然しながら、n=3の場合でもケーラー性を仮定しなければ難問である。 得られた結果は以下の通り。 定理1.3次元複素多様体は次の条件を満たす時、【P^3】と解析的に同型。 【H^1】(X,【θ_x】)=0,PicX=L(生成元L),【L^3】>0,【K_x】=-dL(dは4以上の整数) ある正整数mに対し、dim【H^0】(X,mL)【=!>】2 この定理1の系として、 定理2 3次元複素多様体Xは、【H^1】(X,【θ_x】)=0,ある正整数mに対して dim【H^0】(X,mL)【=!>】2 かつ【P^3】と位相同型であれば 【P^3】と解析的に同型 定理3.代数次元3,小平次元【=!<】2 かつ【P^3】と位相同型ならば【P^3】と同型 定理4.【P^3】の大域的変形は【P^3】と同型。 定理1の証明ではケーラー性を仮定していないために、小平の消滅定理を用いることが出来ない。これが問題の解決を困難にしている理由であるが、定理1の証明でそれを避けたことにより、その証明は正標数の時も適用されるものになった。従って、定理1は3次元既約完備非特異代数多様体で、正標数の場合にも正しい。 今後は同様の議論を 3次元2次超曲面、3次超曲面の場合にも適用したいと考えている。
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