Project/Area Number |
61540349
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造化学
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笹田 義夫 東京工大, 理学部, 教授 (40016019)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 朗 東京工業大学, 理学部, 助手 (30176680)
|
Project Period (FY) |
1986
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 結晶相反応 / コバロキシム錯体 / ラセミ化 / β-α異性化 / 混晶 / シアノエチル基 / 反応空間 / 反応速度制御 |
Research Abstract |
表記の研究に好都合な系であるコバロキシム誘導体のうち、反応基が(R)-α-シアノエチル基、塩基性配位子がピロリジンの錯体を合成し、結晶化した。空間群P【2_1】 【2_1】 【2_1】、Z=4で結晶中に4分子の水をふくんでいる。X線照射によってα-シアノエチル基のラセミ化がおこり、反応速度定数は1.7×【10^(-6)】 【S^(-1)】である。結晶中の水分子はシアノエチル基の窒素原子と水素結合しているが、反転後もこの水素結合は保たれていることを確かめた。塩基性配位子がトリフェニルホスフィンであるコバロキシム錯体も含水結晶をつくるが、結晶相ラセミ化はおこらないので、それぞれの結晶の反応空間を結晶構造から求めた。その体積はピロリジン錯体では11.6【【A!°】^3)】、トリフェニルホスフィン錯体では10.9【【A!°】^3)】】で、前者が反応性、後者が非反応性であることが一応説明できる。しかし反応基が水分子と水素結合でつながっていることと反応空間の形を考え合わせると、反応において大きく移動するメチル基の自由空間の体積の方が反応のより良い指標である。これは6.2および4.5【【A!°】^3)】で、両者の差が大きくなっている。新しい指標をこれまで構造決定された関連化合物の結晶について計算し、より合理的な反応閾値を決めることができた。塩基性配位子がトリ(P-クロロフェニル)ホスフィンおよびピペリジンである錯体結晶について、構造解析を精密化して反応環境の考察を定量化した。 混晶形成など人爲的手法で反応空間を変えて反応を制御する実験を行なった。たとえば(β-シアノエチル)(3-メチルピリジン)コバロキシムと、その光異性化反応生成物の(α-シアノエチル)誘導体との混晶を種々の組成比の溶液から作り、後者が60%まで混入した単結晶が得られることをたしかめた。混入率が高いほど単位胞は大きくなり、異性化反応速度も増加することを明らかにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)