培養細胞のフロセミド感受性1価イオン共輸送とその駆動力に関する研究
Project/Area Number |
61570046
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 博司 徳島大, 医学部, 教授 (50088514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 敏孝 徳島大学, 医学部, 助手 (40111033)
細川 敬子 徳島大学, 医学部, 助手 (10116858)
山口 久雄 徳島大学, 医学部, 助教授 (90035436)
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Project Period (FY) |
1986
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1986)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1986: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | HeLa細胞 / フロセミド / 【Na^+】,【K^+】,【Cl^-】共輸送 / ATP / 【Rb^+】内向束 |
Research Abstract |
培養HeLaS3細胞の容積とイオンおよびATPレベル等の調節を行うことにより、フロセミド感受性イオン膜輸送系の速度論的解析と共輸送の駆動力に関する研究を試みた。(1)ionophoreによる細胞膜物性と細胞内イオン濃度の調節。冷却した細胞にNystatinを作用させ、このionophoreの細胞内1価イオン含量や膜輸送および細胞容積に対する影響についてしらべた。先づNystatinを含む高張外液に庶糖を添加すると、ドナン平衡および浸透圧平衡が成立するが、特に60mM庶糖の存在下で細胞は正常な容積を保持した。このとき内液イオン量は外液イオン濃度に比例することがわかったので細胞内イオン含量を実験的に調節することが可能となった。同種の実験より、細胞内液の浸透圧、非透過性陰イオン濃度とその平均電荷、細胞膜張力等の値が求められた。(2)1価イオン共輸送系の速度論的解析。細胞膜輸送において【K^+】と全く区別されない【Rb^+】を用い、1価イオンの共輸送に関する実験を行った。先づ【^22Na^+】、【^36Cl^-】と【Rb^+】のinfluxを比較することによりフロセミド感受性【Na^+】、【K^+】、【Cl^-】共輸送におけるイオン輸送量比を求め、1【Na^+】/1【K^+】/2【Cl^-】の値を得た。フロセミド感受性【Rb^+】influxに対する外液【Na^+】、【K^+】(【Rb^+】)、【Cl^-】の影響についての解析からこの輸送系では、【Na^+】と【Cl^-】が先に結合し次いで【K^+】と【Cl^-】の結合後全てのイオンが同時輸送されることを初めて明らかにした。またフロセミド感受性【Rb^+】influxは、細胞内【Na^+】、【Cl^-】の濃度とは負、【K^+】のそれとは正の相関々係を示した。従って、【Na^+】の化学勾配はこの輸送系の駆動力であり、一方、細胞内【K^+】はフロセミド感受性【K^+】/【K^+】交換輸送の【K^+】effluxを刺激して【K^+】influxを活性化すると考えられる。次に2μMCCCPと各濃度のブドウ糖を含む外液中で細胞を培養し、そのATPレベルを調節した。フロセミド感受性【Rb^+】influxは細胞内ATPレベルとS状の関係を示し、その関係のHillplotから共輸送系には少なくとも2個のATP結合部位の存在することが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)