日本で発見された原始的被子植物化石とこれに伴う白亜紀後期植物の生物組織学的研究
Project/Area Number |
63540623
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Stratigraphy/Paleontology
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
木村 達明 東京学芸大学, 教育学部第三部, 教授 (40014849)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 北海道 / 後期白亜紀植物群 / 中生代古植物地理 / オトザマイテス |
Research Abstract |
1.6月から10月にかけて、北海道三笠市周辺に分布する上部白亜系、中〜上部蝦夷層群のアンモナイト/ジュル中から多くの植物化石を採集した。これらの化石は、内部の細胞組織がよく保存されており、したがって、これらについて、ピール法による切片を作製することに成功した。 現在までに識別できた植物は、ベネチテス目のオトザマイテス、球果目のナンヨウスギ、コウヨウザン、被子植物の雌性花、ヤシの果実などで、他に被子植物の起源を探る上で、重要と考えいれる果実がある。 以上のうち、被子植物の雌性花については、8月にメルボネンで開かれた、第3回国際古植物学会議で口頭発表を行ない、またオトザマイテスについては、2月京都で開かれた、日本古生物学会年会で口頭発表を行った。これらについては、現在論文刊行の準備中である。 2.得られた化石から、上部蝦夷層群植物群は、亜熱帯の海洋性気候のもとで生育した植物群で、この植物群が、北海道の現在の位置にあることは、おそらく、地塊が南方起源で、白亜紀後期以後北上したものと考えられる。 3.本研究の最終目標は、後期白亜紀の古植物地理を明らかにすることにあるが、白亜紀後期以前の正確な知識なくしては目的を達することが不可能である。よって、三畳紀以後の植物分布および、分布を特徴づける分類群について、裏面に記したように6編の論文を刊行した。 4.オトザマイテス葉について、葉柄および葉の横断面がはじめて明らかにされた。北海道の上部白亜系オトザマイテスは、その組織から明らかにベネチテス目中の独立した層で、従来考えられてきたような形態属ではなく、また、知られる限りでは、本属が、白亜紀後期まで生存したことは確実である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)