ゾル・ゲル法による酸化物磁性体および超伝導体の合成
Project/Area Number |
63550579
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
田中 勝久 三重大学, 工学部, 助手 (80188292)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1988: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ゾル・ゲル法 / γーフェライト薄膜 / ESR / Bi系高温超伝導体 / 臨界温度 |
Research Abstract |
ゾル・ゲル法を利用して酸化鉄系磁性体およびBi系酸化物高温超伝導体の合成を試み、ゲルからの結晶化過程を熱分析、X線回折法等を用いて追跡した。以下、結果を各系ごとに述べる。 1.酸化鉄系磁性体の合成 Fe(acac)_3の酢酸溶液から得たαーFe_2O_3薄膜を還元雰囲気中で熱処理することにより磁気特性の優れたFe_30_4薄膜が得られることを既に報告した。今回はこのFe_3O_4薄膜を空気中で酸化することによりγーFe_2O_3薄膜を調製した。ESR測定の結果からγーFe_20_3薄膜が強磁性的であり自発磁化の容易軸方向が膜面内を向いていること、および薄膜中でFe^<3+>は極めて歪んだ結晶場中に置かれていることがわかった。一方Fe(acac)_3溶液を空気中で乾燥することによってゲルに変え、ゲルの結晶化挙動をDSCおよびX線回折により調べた。その結果、300℃付近でゲル中に存在すると考えられるFe(acac)_3の分解反応が起こり、同時にαーFe_2O_3が析出することがわかった。 2.Bi系酸化物高温超伝導体の合成 Bi、Pb、Sr、Ca、Cuの酢酸塩および硝酸塩を出発原料として用い、これらを酢酸ーアンモニア混合溶液に溶解しpHを調節することによりゾル溶液とした。これを加熱してゲルに変え、ゲルの熱処理に伴なう結晶化の過程を追跡した。低温の熱処理では超伝導相は生成せず、Bi_2O_3、CuO、CaCO_3等が析出した。800℃で5時間熱処理することにより80K級の超伝導相が得られた。更に830〜855℃、12時間の熱処理で110K級超伝導相が析出した。その割合は845℃付近で熱処理した試料において最も高く、電気抵抗測定の結果から試料の臨界温度は104Kであることがわかった。すなわち、空気中での比較的短時間の熱処理により高い臨界温度を示す超伝導体の合成が可能であった。
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Report
(1 results)
Research Products
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