Project/Area Number |
63560128
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
製造化学・食品
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森 友彦 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (10027188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 康生 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (50181756)
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Project Period (FY) |
1988 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 大豆タンパク質ゲル / 粘弾性構造 / 分子間結合力 / クリープ測定 |
Research Abstract |
食品には分子レベルのミクロ構造から顕微鏡および目で見えるようなマクロ構造まで種々のレベルの構造が存在しており、それら構造間には互いに密接な関連があると考えられる。食品の物性にはこのような複雑な構造的要因が重要な役割を演じている。本研究では、食品タンパク質ゲルについてその物性に関する基礎的研究を進めるためにモデル系として単一タンパク質成分系(大豆の11Sグロブリン)を取扱いゲル物性に関わる構造要素のうち特に粘弾性構造と化学的構造ならびに両構造間の相互関係を調べ、以下の知見を得た。1.粘弾性構造について、(1)クリープ測定から得たクリープ曲線は瞬間弾性部、遅延変型部、定常粘性部の3つの部分構造体の比率としてとらえられ、バネ、2つのフォークト体、ダッシュポットを組み合わせた6要素モデルに近似させられた。またこのモデルに基づいて粘弾性パラメータを算出した。(2)ゲル強度に差異を生じる条件において、瞬間弾性部と定常粘性部の比率が変化する場合と粘弾性パラメータに変化がみられる場合とがあることから、ゲル物性には部分構造体の量および質的の両面の性質が反映されることが示唆された。(3)電子顕微鏡で観察される分子レベルのネットワーク構造の形態と化学的性質が粘弾性構造の構成要素である部分構造体の比率とパラメータ値にそれぞれ対応するような相互関係が推定された。2.粘弾性構造と化学的構造の関連について、(1)ゲルのネットワーク構造中の分子間結合力のうちジスルフィド結合のみを特異的に切断すると瞬間弾性部の比率が減少し他の部分構造体の割合が増し、全ての粘弾性パラメータの値が低下した。(2)ゲルを尿素で処理することにより非共有結合を切断すると部分構造体の比率は変化しないがパラメータ値は一様に低下した。(3)ジスルフィド結合は特に瞬間弾性部の維持に密接に関係し、非共有結合は全ての部分構造体の安定化に寄与することが示された。
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