報酬系における情報伝達機構に関する研究ー脳内透析法による物質過程の解析ー
Project/Area Number |
63571077
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
医学一般
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中原 大一郎 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80128389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 一忠 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 講師 (80144161)
|
Project Period (FY) |
1988
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 脳内透析法 / ラット / 脳内自己刺激(ICSS) / 内側前脳束 / 側坐核 / HPLC / ドーパミン / DOPAC / HVA |
Research Abstract |
脳内透析法を用いて、脳内自己刺激(ICSS)行動に伴うラット側坐核のドーパミンとその代謝産物(DOPACとHVA)のin vivoにおける変化を測定した。自己刺激部位は内側前脳束とした。ドーパミンのreupfake blockerであるnomifensineをあらかじめ1mg/kg腹腔内投与してから1時間後に、ラットに60分間にわたりICSSを行わせた。その際、ラットのレバー押しのパターンをパーソナルコンピューターに記憶させた。翌日、再びnomifensineを同量投与した後、1時間経過してから前日に記録しておいたレバー押しパターンを用いて、同じラットの内側前脳束を強制的に電気刺激した。その間、透析サンプルは10分間隔で採取した。採取した透析サンプルは直接HPLC電気化学検出器を用いて分析した。その結果、nomifensineの投与によってドーパミンは約20分後にピークに達する上昇を示すが、ICSSを開始する1時間後にはすでに下降傾向が見られた。しかしICSSを行わせると即座にドーパミンの再増加が始まり、nomifensine非投与ラットでははっきりしなかったドーパミンの遊離がはっきりと観察された。また、同じラットを用いて強制的に電気刺激を与えた場合にも、側坐核のドーパミンはICSSを自発的に行った場合と同様の増加パターンを示した。DOPACはドーパミンに引き続いてピークに達し、HVAはさらに遅れてピークに達した。これら代謝産物の変化はいずれもICSSに伴い有意の上昇を示したが、ドーパミンと同様に、自発的なICSSと強制刺激による場合とで明瞭な差は認められなかった。以上の結果は、(1)内側前脳束の電気刺激によるICSS行動では、側坐核ドーパミンニューロンの活動が著明に活性化されること、(2)しかし、側坐核ドーパミンニューロンの活動は、ICSS学習に伴う学習過程それ自体の変化は反映していないこと、を示唆している。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)