オピオイドの血液脳関門透過性亢進作用における脳内ヒスタミンの関与
Project/Area Number |
63571096
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用薬理学・医療系薬学
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大石 了三 岡山大学, 医学部, 助教授 (90112325)
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Project Period (FY) |
1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | オピオイド / モルヒネ / 血液脳関門 / ヒスタミン / H_2受容体 |
Research Abstract |
マウスにおいてフルオレセインナトリウム(NaFl)に対する血液脳関門(BBB)透過性はオピオイドμアゴニストにより亢進する。この作用における脳内ヒスタミンおよび他の神経伝達物質の関与を明らかにするためにいろいろな薬物の効果を検討した。脳内NaFl量はNaFl(40mg/kg)静注30分後にマウスを殺し、左心室より生理食塩水30mlで脳を灌流した後に蛍光定量した。 〔結果〕塩酸モルヒネ(5mg/kg.S.L)はNaFl脳内濃度を増加させた。H_1拮抗薬、ジフェンヒドラミンとメピラミンの腹腔内(i.p.)および脳室内投与(i.c.v.)はモルヒネの効果に影響を及ぼさなかったが、H_2拮抗薬、シメチジンとランチジン(i.l.v.)は有意に抑制した。特異的ヒスチジン脱炭酸酵素阻害剤、α-フルオロメチルヒスチジン(i.p.およびi.c.v.)も有意にモルヒネの効果を抑制した。他のμアゴンスト、ブプレノルフィン(0.5mg/kg、s、c、)および〔D-Ala^2-MePhe^4-Gly(ol)^5〕enkephalin(0.1μg.i.c.v.)によるNaFlのBBB透性亢進作用も、H_1拮抗薬では影響を受けずH_2拮抗薬α-フルオロメチルヒスチジンにより有意に抑制された。 モルヒネのBBB透過性亢進作用は、アトロピンみよびビペリデンによっても有意に抑制されたがBBBを通過しないメチルアトロピンでは変化しなかった。逆に、フィゾスチグミンはモルヒネの効果を有意に促進した。6-ヒドロキシドパミン、α-メチルチロシン、5.7-ジヒドロキシトリプタミンおよびP-クロルフェニルアラニンはモルヒネの効果に影響しなかった。 〔結論〕以上の結果より、オピオイドμアゴニストによるNaFlに対するBBB透過性亢進作用に脳内の神経性ヒスタミン、H_2受容体およびムスカリン受容体が関与していることが明らかである。
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Report
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Research Products
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