確率変動にロバスト性を有する演算素子の設計理論と分子実装
Publicly Offered Research
Project Area | Development of Molecular Robots equipped with sensors and intelligence |
Project/Area Number |
15H00800
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 徹也 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (90513359)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2016: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2015: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ノイズ耐性 / ゆらぎ / 分子ネットワーク / 論理演算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度からの結果を継続し、ベイズゲートのノイズ耐性性能の評価をまず行った。ノイズ無しの演算環境を仮定した従来の演算様式との比較により、ベイズゲートは混入するノイズが極めて大きい場合に既存の演算様式よりも優位性があること、また逆にノイズが小さければ、既存の演算様式のほうが優れていることが示された。この結果は、今後ノイズが極めて大きい環境下で論理演算を実装する際にベイズゲートのような構成が重要な役割を持ちうることを明示している。また、理論的に導かれたベイズゲートの構成が、ノイズの乗ったシグナル上である種の論理演算を行うこととみなせることから、情報理論の分野で指摘されていたcomputation over noisy channelとの関連の考察を行った。これらの内容を論文にまとめ、arXivでの公開と論文投稿を行った。 合わせて、ベイズゲートを細胞内分子反応で実装する可能性を検討した。ベイズゲートの構造から、自己触媒性のある分子修飾反応を組み合わせることで実装が可能であることを確認した。分子反応で何らかの演算を構成する場合、分子の少数性に起因するゆらぎが問題になる。2状態を持つ最も簡単な自己触媒性分子修飾反応の確率的挙動を解析し、このシステムがノイズ励起転移の性質を有することを確認した。また分子数が極めて小さくなると、少数性に起因する全く新しい転移(定常分布のピーク数の変化)を示すことを見出した。この転移を離散性励起転移と名付けその性質を解析した。この結果はPhysical Review Eに採択された。 ベイズゲートの実装には少なくとも3状態以上の状態を持つ自己触媒反応が必要になる。2状態で得られた理論を拡張し、一般のN状態を持つ自己触媒反応の性質やその転移構造が解析的に求まる条件などを明らかにした。 さらにこれら分子反応系における非平衡熱力学的性質についても調査を進めた。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)