肝細胞死に応答して肝臓の線維化および再生を誘導・制御する新規ストローマ細胞の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Homeostatic Regulation by Various Types of Cell Death |
Project/Area Number |
15H01369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 暢 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (50396917)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2016)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2016: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2015: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 肝臓 / 線維化 |
Outline of Annual Research Achievements |
障害を受けた肝臓組織では、実質細胞(肝細胞)の細胞死を起点としたシグナルにより、線維質の産生・蓄積による損傷部位での物理的な組織構築の保持と、肝前駆細胞/胆管上皮細胞の活性化による肝細胞の新生(再生応答)が誘導され、組織の修復が行われる。これまでの解析から、肝臓の障害により活性化され、線維化誘導と再生応答を共に担う、新規ストローマ細胞の存在が示唆されている。本研究計画では、この新規ストローマ細胞の性状を明らかにした上で、生理的重要性および活性化を担うシグナル/メカニズムの解析を中心として、肝臓における細胞死を起点とした生体反応誘導の中軸をなす細胞システムの解明を目指した。 新規ストローマ細胞は、細胞表面マーカーThy1陽性かつCD45陰性であり、ビタミンAの貯蔵は行わないことから肝臓の主要な間葉系細胞である肝星細胞とは明確に異なる細胞集団である。今年度、さらに解析を進めた結果、Thy1陽性CD45陰性ストローマ細胞(Thy1MC)は、従来の組織学的な定義に依るところの「門脈域線維芽細胞(PF)」に相当する細胞種であることを明らかにした。それら表面マーカーの発現を利用してマウス肝臓よりThy1MC/PFを高純度に分離し、詳細な性状解析を行った。肝星細胞とは異なり、Thy1MC/PFは定常状態においてもα-SMAやコラーゲンを基底レベルで発現しており、筋線維芽細胞様の性質を有していた。一方で、肝障害に際しては線維分解系の抑制因子であるTimp1の発現が顕著に誘導されたことから、Thy1MC/PFは繊維質の産生系と分解系のバランス制御を介して肝線維化に寄与すると考えられた。以上により、本研究課題で注目したストローマ細胞の肝線維化における生理機能の一端を明らかにすると共に、Thy1を門脈域線維芽細胞の分離・解析に有効な新規表面マーカーとして確立することに成功した。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)