Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2016年度は、ASD者の発話の韻律に観察されることが多い韻律特性2種について可視化、体験用プログラムの開発と、成人ASD者の発話を追加で録音する作業を行った。プログラムの開発では、ASD者の発話で違和感が持たれる頻度の高い、話者交代のタイミングと、韻律的強調についてのプログラムを開発した。話者交代のタイミングは、相手の話が終わらないうちにASD者が話し始めてしまう、相手が話し終わっているのにASD者の発話が開始するまで時間がかかる場合がある。本研究では2名の話者の波形を上下に並列して提示し、話者2の開始が早すぎ、両者の発話がかぶっている場合と、話者2の発話の開始が遅く長いポーズがあるサンプルを用意し、利用者が発話のかぶりや、長い無声区間を体験できるようにした。画面上で発話を前後に移動して、話者交代のタイミングを変えたときの音声を聞くことができる。自分の音声を録音して話者交代のタイミングを体験することもできる。韻律の強調のプログラムでは、強調が強すぎる発話例を画面上に表示し、強調部分の強度やピッチを画面上で指定すると、その指示に沿った強度やピッチになるように録音音声を再合成して提示することができる。ピッチや強度が変わると音声の聞こえ方がどのように変わるのかを体験することができる。現在、両プログラムともに、音声学の知識のない利用者でも使いやすいよう、改良を続けており、2017年度には本新学術領域で当事者研究を行っている、東京大学先端研の研究班で進行中の当事者研究参加者に利用してもらい効果を評価する予定である。また、成人のASD者の発話の解析を進めるため、成人ASD話者の発話の録音も進めた。昭和大学発達障害研究所で30名、及び本当新学術、当事者研究に参加するASD者の協力を得て、8名の発話の録音を収録した。当事者研究参加者の録音は2017年度も継続する予定である。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2016 2015
All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)