Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では,常磁性ランタニドプローブを用いた溶液NMR法を主体とした複合的アプローチによって,タンパク質,特にマルチドメインタンパク質の立体構造変化を定量的に捉える手法の開発を行うことを計画した.細菌の細胞壁合成に関わる47 kDaマルチドメインタンパク質MurDをモデルとし,手法の確立を目指した. 常磁性ランタニドイオンを用いたNMR法を駆使したこれまでの我々の研究によって,リガンド結合に伴うMurDの立体構造変化を定量的に解析することに成功している (Saio et al. 2015 Sci Rep).今年度はさらに研究を発展させ,ESRやSAXSなど,NMR以外の手法を用いた立体構造変化の解析に取り組んだ.SAXSにおいては,タンパク質の2箇所にランタニドイオンを固定しランタニドイオン間の散乱干渉から2点間の距離情報を抽出することを試みた.通常のSAXS測定においては,ランタニドイオン間の散乱干渉に加え,タンパク質中の原子間やタンパク質ーランタニドイオン間に起因する散乱の総和 が観測される.そこからランタニドイオン間の散乱干渉を抽出するためにリファレンスの差し引きや高濃度スクロース溶液を用いたコントラストマッチングなどを検討した結果,ランタニドイオン間の相関に起因すると考えられる散乱を抽出することに成功した.ESRにおいては,タンパク質の2箇所に常磁性ランタニドイオンGd3+を固定し,PELDOR測定によってGd3+間の距離を測定することを試みた. MurDの同一ドメイン上の2箇所にGd3+を固定したサンプルに対してPELDOR測定を行い,Gd3+間の距離を決定することに成功した.我々のこれまでのNMR解析から予想された距離 (Saio et al. 2015 ) ともよく一致し,ESR測定によるGd3+間の距離の決定が高精度で可能であることが実証された.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Sci Rep.
Volume: 5 Issue: 1 Pages: 16685-16685
10.1038/srep16685
http://wwwchem.sci.hokudai.ac.jp/~stchem/research-outline/
https://www.hokudai.ac.jp/news/151120_cris_pr.pdf
http://www.cris.hokudai.ac.jp/cris/innovahome/press/press_20151215.html