Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、これまで電子顕微鏡などの手法によって行われてきた微小管格子構造の観察とそのダイナミクスの同時観察を目標とした。そのために、高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)を用いた微小管の動態観察を目指した。1) 滑り運動中の微小管の曲がり角度の解析から格子構造のズレを提示した。微小管の格子構造のズレが、管の形成後でも起こるのか、キネシン分子モーター上での滑り運動解析を用いて明らかにした。微小管重合端結合タンパク質の一種であるMal3をフローチャンバー内に導入したところ、GMPCPP安定化微小管の曲がりが増加した。この曲がりは、微小管が管状の形態を保ったまま格子構造がひずむ事により起こると推測できた。2) タキソール安定化微小管をマイカ上に張り付け、その脱重合をHS-AFMで観察した。a) 脱重合途中の微小管端では、プロトフィラメントが隣接するプロトフィラメントと間隙を保ったまま数十秒間存在し、その後チューブリンの解離が始まった。また、b) 微小管中程では、数本のプロトフィラメントが失われ、直径数十nmの穴が開いたままの状態が数十秒間続くことが観察できた。これより、微小管の格子構造中でのチューブリンサブユニットの相互作用は長軸方向に沿って縦向きの結合が優位であり、微小管中のプロトフィラメント間は弱い相互作用で繋ぎ止められている事が示唆された。今後は、様々な異なるヌクレオチド状態での崩壊様式の違いを比較し、格子構造の縦と横の相互作用のバランスの変化とそのダイナミクスとの関連を明らかにしたい。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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http://resweb2.jhk.adm.fukuoka-u.ac.jp/FukuokaUnivHtml/info/6351/R108J.html