Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
STINGは病原体や自己由来の細胞質DNAに応答して、インターフェロン産生や炎症などの自然免疫系を活性化する膜タンパク質であり、老化や様々な疾患と関連することが知られている。しかし従来の研究からは、STINGシグナルの全体像を理解する上で十分な知見が得られていない。特にSTINGの下流因子や相互作用因子を網羅的に同定するためには、プロテオーム解析技術のさらなる発展が必須である。そこで本研究では、最新の各種プロテオミクス技術を融合・発展させた重層的な精密定量プロテオーム解析法を開発する。そしてSTINGを介した自然免疫シグナル経路の全体像とその制御機構を明らかにする。
近接依存性ビオチン標識(BioID)法は、ビオチン化酵素との融合タンパク質を発現する細胞内において直近に位置するタンパク質をビオチン化した後、抽出液からアビジンビーズで精製することにより、生きた細胞内で相互作用タンパク質を大規模に検出できる画期的な方法である。本研究では、ビオチンとの可逆的結合能を有する新規アビジン様タンパク質Tamavidin 2-REVを利用し、ビオチン標識後の細胞消化物からビオチン化ペプチドを簡便かつ高効率に精製する技術を開発した。本年度はこの技術を改良することで非ビオチン化タンパク質の混入を排除し、自然免疫分子STINGと相互作用するタンパク質候補のビオチン化ペプチドを質量分析によって4000種類以上同定することに成功した。得られたSTING相互作用因子の候補のうち、IRF5とIFITM3に注目して解析を進めたところ、IRF5はSTINGの下流で活性化するTBK1によってリン酸化されることがPhos-tagウェスタンブロットによって明らかになった。また、IFITM3はSTING活性化の後期において、エンドソームやリソソーム上でSTINGと相互作用することが判明した。今回開発したTamavidin 2-REVを用いたビオチン化ペプチドの精製法は、BioID法のみならず、ビオチン化に基づくタンパク質の相互作用、翻訳後修飾、およびトポロジーなどの同定に有用であると考えられた。また、GFPとSTINGの融合タンパク質を安定発現する細胞を低濃度ホルムアルデヒドで処理し、クロスリンクされたGFP-STING複合体をGFP結合nanobodyを固定化したビーズであるGFP-Trapで免疫沈降することにより、STINGの活性化の時間経過に依存して様々なオルガネラ関連タンパク質が結合することが判明した。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 6 results, Open Access: 6 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 3 results)
Autophagy
Volume: - Issue: 8 Pages: 1-26
10.1080/15548627.2021.1874133
120007174412
iScience
Volume: 24 Issue: 3 Pages: 102145-102145
10.1016/j.isci.2021.102145
120007182109
Elife
Volume: 9
10.7554/elife.54983
120007125057
Journal of Biological Chemistry
Volume: 295 Issue: 32 Pages: 11174-11183
10.1074/jbc.ra120.014323
120007132263
The Journal of Biochemistry
Volume: 167 Issue: 3 Pages: 225-231
10.1093/jb/mvz090
120006959753
Volume: 19 Pages: 1065-1078
10.1016/j.isci.2019.08.056
120006959760