Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では原子核におけるアルファ凝縮状態を系統的に探索し、その存在を確立したうえで、エネルギーや崩壊幅から低密度核物質の物性を明らかにすることを目的とする。α凝縮状態は低エネルギーアルファ粒子を放出しつつ崩壊すると考えられているため、これを検出するために、近年発展の著しいニューラルネットワーク技術を導入して従来手法の限界を超えた新しい低エネルギー荷電粒子識別技術を確立する。そして、陽子数と中性子数の等しい質量数 A = 4N の原子核に対し0度を含む超前方角度におけるアルファ非弾性散乱と低エネルギー崩壊α粒子の同時計測を行い、アルファ凝縮状態を探索する。
本研究では原子核におけるアルファ凝縮状態を系統的に探索し、その存在を確立したうえで、エネルギーや崩壊幅から低密度核物質の物性を明らかにすることを目的とする。アルファ凝縮状態は複数の低エネルギーアルファ粒子を放出しつつ、より軽い核のアルファ凝縮状態を経由して崩壊されると考えられるが、アルファ凝縮状態近傍の励起状態からは、アルファ粒子だけではなく陽子や重陽子など種々の荷電粒子が放出されるため、これらの粒子種別を弁別すると同時に、大立体角をカバーして低エネルギーの崩壊粒子を高い効率で検出することのできる大面積の粒子検出器が必要である。しかし、低エネルギー粒子の粒子識別は技術的に難しい。そこで本研究では、検出器からの信号波形を解析することにより粒子識別を行う。東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターにおいて、核破砕反応によって生成された連続エネルギーの荷電粒子をシリコン半導体検出器に入射させ、陽子・重陽子・アルファ粒子に対する波形を取得した。これを教師あり訓練データとしてニューラルネットワークの育成を行ったところ、信号の立ち上がり時間を特徴量とする従来型の解析手法に比べ粒子識別精度が向上し、1.8 MeV という低エネルギーの陽子とアルファ粒子を95%以上の精度で識別することが可能となった。さらに、シリコン検出器を5枚に増加させ、検出器架台、全チャンネル(120ch)を読み出すための回路を整備して、本実験のためのフルセットアップを構築した。今後、これらの検出器を日本原子力研究開発機構に移設し、同機構の大型タンデム静電加速器施設において、12C+12Cの共鳴散乱による24Mgにおけるα凝縮状態の探索実験を行う。収集したデータについては直ちに解析を実施し、その成果を国内外の研究集会で公表するとともに、学術論文を出版する。
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2021 2020 2019 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results) Presentation (15 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 3 results) Remarks (1 results) Funded Workshop (1 results)
JPS Conference Proceedings
Volume: 31 Pages: 011050-011050
10.7566/jpscp.31.011050
Volume: 31 Pages: 011074-011074
10.7566/jpscp.31.011074
Volume: 31 Pages: 011062-011062
10.7566/jpscp.31.011062
130008153394
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~omeg15/