Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究の目的は,これまでに我々が開発してきた高硬度ガラスに対して,割れにくさ(高クラック耐性)を付与することで,硬くて割れにくいガラスを合成することである.本研究では,硬さと割れにくさを両立させる新しいメカニズムとして,負荷時における 配位数変化を伴う効率的原子移動とその多重協奏的発現を提案する.また,実験と理論計算を組み合わせた先進的ガラス構造解析によって,実験データをよく再現するハイエントロピー酸化物ガラス構造モデルを構築する.その結果として,提案したメカニズムに最適化された,硬さと割れにくさを両立させたハイエントロピー酸化物ガラスの組成設計指針を確立する.
昨年度開発に成功したジルコニアムライトガラス(Al2O3-SiO2-ZrO2三元系)のヤング率は,Al2O3の量を60,50,40 mol%とした各系列では,ZrO2の含有量の増加に伴い大幅に増加したものの,割れにくさの指標であるCrack Resistanceは,ムライトガラスの値と比べて低下していた.ところがムライト組成(Al2O3:SiO2 = 6:4)を固定してZrO2を添加した系では,割れにくさの低下は抑えられる傾向がみえた.詳細はまだ不明であるが,Al,Si,Oの結合様式が割れにくさに影響していると考えている.27Al,29Si MAS NMR,Zr K端,L端XAFSの結果からは,Zrはガラス中では特異的に大きな酸素配位数7をとること,そしてZrO2が増えるほど,AlもSiも配位数が増加し,もともと密な構造がさらに密になっていることがわかった.またガーネット組成であるCa3Sc2Si3O12を中心に,幅広い領域でガラス化に成功した.興味深いのはSiO2が30 mol%と少ない組成でも,CaOとSc2O3を混合することでガラス化していることである.Siに対してOの数が4以上の組成では酸素が過剰であり,SiO4の頂点共有によるネットワークは断片化が進むため,ガラス形成能は低くなるという予想に反した結果である.Caを別のアルカリ土類元素にしたり,ScをYやLuなどの希土類元素に変えたりしても容易にガラス化した.これらのガラスのヤング率は,約130 GPaと比較的大きな値であったが,ムライトガラスよりも割れやすかった.今年度はこれら以外にも数多くの新しいガラスを開発することができた.いずれも多成分化することでガラス形成能が格段に向上していた.一般的なガラスの2倍に達する硬さも実現したが,割れにくさはやや抑えられる結果となった.
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (15 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Peer Reviewed: 14 results, Open Access: 9 results) Presentation (19 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 3 results) Remarks (4 results)
AIP Advances
Volume: 11 Issue: 3 Pages: 035224-035224
10.1063/5.0038061
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International journal of microgravity science and application
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120006848368
ACS Applied Nano Materials
Volume: 3 Issue: 6 Pages: 5053-5060
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Volume: 127 Issue: 12 Pages: 853-863
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130007755063
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https://www.hirosaki-u.ac.jp/53218.html
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