Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
リン酸八カルシウム(OCP)は層状構造を持ち、その層間に存在するリン酸水素イオンを様々なカルボン酸イオンに置換できる特異な結晶学的性質を有する。この性質を利用すれば、OCP由来の生体適合性とカルボン酸由来の多様な機能を併せ持つ生体適合性機能材料を創製できると期待される。本研究では水溶液化学に立脚した湿式プロセスの高度化により、蛍光性ベンゼンテトラカルボン酸類を機能コアとしてOCPに置換固溶した生体適合性に優れる蛍光バイオイメージング材料の創出を目指す。
リン酸八カルシウム(OCP)は層状構造を持ち、その層間に存在するリン酸水素イオンを様々なカルボン酸イオンに置換できる特異な結晶学的性質を有する。この性質を利用すれば、OCP由来の生体適合性とカルボン酸由来の多様な機能を併せ持つ生体適合性機能材料を創製できると期待される。本研究では水溶液化学に立脚した湿式プロセスの高度化により、蛍光性芳香族カルボン酸類を機能コアとしてOCPに置換固溶した生体適合性に優れる蛍光バイオイメージング材料の創出を目指す。本年度は蛍光特性の向上を目指し、蛍光性カルボン酸として1,3-ベンゼンジカルボン酸(イソフタル酸)、1,4-フェニレン二酢酸、4-(カルボキシメチル)安息香酸、およびピリジンジカルボン酸類を選択し、これらの水溶液中において炭酸カルシウムとリン酸を反応させる手法にて試料を合成した。合成した蛍光性カルボン酸含有OCPの結晶相、化学構造、およびカルボン酸含有量をX線回折分析、赤外分光分析、誘導結合プラズマ発光分光分析、CHN分析、熱重量分析等により評価した。その結果、検討した全てのカルボン酸をOCPに導入できることを明らかにした。さらに、蛍光分光光度計により蛍光特性を評価した結果、1,4-フェニレン二酢酸を導入したOCPは蛍光性を発現しなかったが、それ以外の試料では280~310 nmの励起光によって400 nm前後の蛍光を発することを明らかにした。以上の結果から、蛍光性OCPの作製は、芳香族カルボン酸を導入するだけで達成されるような単純なものではなく、導入したカルボン酸が蛍光中心として機能する条件を整える必要があることが分かった。ただし、これまでの研究では導入したカルボン酸が蛍光特性を失う要因は明らかにされていないため、さらに検討を進める必要があることが分かった。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 3 results) Presentation (14 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 5 results)
Journal of the Ceramic Society of Japan
Volume: 130 Issue: 5 Pages: 337-340
10.2109/jcersj2.21173
Materials
Volume: 14 Issue: 11 Pages: 2703-2703
10.3390/ma14112703
Communications Chemistry
Volume: 4 Issue: 1 Pages: 4-4
10.1038/s42004-020-00443-5
Materials Advances
Volume: 1 Issue: 9 Pages: 3215-3220
10.1039/d0ma00600a