Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
フラーレンは容易に構造修飾が可能であるだけでなく,適切な分子設計により疎水性“内部”空間の静電ポテンシャルを自在に制御することができる.一方で,骨格“外部”の構造修飾により水分子を介した多次元集積構造を構築できると考えられる.そこで,本研究課題では,「フラーレンの内外の骨格を利用することで,水分子の関与するダイナミクスをナノレベルで理解」するとともに,「高次集積構造に由来した新たな機能開拓」を目指す.
フラーレン骨格の拡張法を見い出し、C65NやC75N骨格の構築に成功した。また、その内部に取り込まれた水分子がフラーレン骨格との相互作用が最大になるような配置で安定化することを見い出した。さらに、水分子の求核付加反応を起点としたフラーレン骨格の変換反応を見い出し、複数の水分子が本反応に関与することが理論計算によって明らかとなった。本反応の適用範囲を拡大する中で、水分子が通過可能な世界最小の開口部をもつフラーレン誘導体の合成法を見い出した。アミンを用いた開口フラーレン誘導体の合成法についても検討し、容易に水分子が通過可能な新たな開口部構造の構築を行なった。水分子などの求核剤を用いた開口フラーレン誘導体の構造変換反応の開発ならびに、異性体間での反応性の違いについて明らかにした。フラストレイテッド・ルイスペアを用いた開口フラーレン誘導体の脱水酸化的水素化反応を開発し、各種水酸化開口フラーレン誘導体の合成法を見い出した。フラーレンを配位子とする第9族金属錯体を合成し、内包された水分子の動的挙動が、金属中心からのπ逆供与の寄与を受けて変化することがわかった。置換基をもたない単純な水分子内包フラーレンにおいて、単一分子トランジスタを構築することで、内包水分子のオルト-パラ変換をTHz分光により観測した。水分子と構造の類似した過酸化水素分子についてもその内包を達成し、水酸基の配置と水素結合の強度について明らかにした。
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2022 2021 2020
All Journal Article (11 results) (of which Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 3 results) Presentation (14 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results)
Chemistry ? A European Journal
Volume: 28 Issue: 2
10.1002/chem.202103836
Asian Journal of Organic Chemistry
Volume: 11 Issue: 3
10.1002/ajoc.202100676
Organic & Biomolecular Chemistry
Volume: 20 Issue: 5 Pages: 1000-1003
10.1039/d1ob02316k
Organometallics
Volume: 41 Issue: 3 Pages: 354-359
10.1021/acs.organomet.1c00706
Journal of the American Chemical Society
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10.1021/jacs.1c05778
ChemPlusChem
Volume: 86 Issue: 12 Pages: 1559-1562
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Volume: 21 Issue: 24 Pages: 10346-10353
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10.1039/d0sc05280a