エアロゾルの暴露グラディエントと冷温帯樹木の生理・組織化学特性の関係の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Impacts of aerosols in East Asia on plants and human health |
Project/Area Number |
21120501
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡邊 陽子 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 学術研究員 (30532452)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | エアロゾル / SEM-EDX / ブラックカーボン / カバノキ属 / 冷温帯樹木 / 光合成機能 / 組織化学特性 / 個葉 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度に選定した北海道内のエアロゾル濃度の異なると思われる地域(都市中心部、都市郊外および冷温帯林)における樹木に対するエアロゾルの影響を明らかにするために、エアロゾル濃度の測定および測定地域に生育する樹木の葉に対する影響について分析を行なった。エアロゾル濃度測定はフィルターパック法を用いて分析を行なった。その結果、都市中心部よりも冷温帯林ではエアロゾル濃度が低いことが明らかとなった。さらに、越境大気汚染物質の1つであるブラックカーボンについても葉面沈着量の分析を行ない、その結果、都市部で最も高く、冷温帯林で最も低かった。都市域におけるエアロゾルやブラックカーボンは都市内部に発生源が存在するが、冷温帯林については近くに発生源がないため、越境大気汚染物質由来であると考えられる。 エアロゾルによる樹木への影響を明らかにするために、エアロゾル測定地域に生育するカバノキ属(シラカンバおよびダケカンバ)を選定し、着葉期間中に葉を定期的に採取し、SEM-EDXにより葉の表面に付着している粒子の顕微鏡観察および元素分析を行なった。その結果、都市中心部では葉に影響を及ぼすことが報告されているエアロゾル粒子が付着していることが明らかとなった。また、都市郊外では燃焼起源と考えられる粒子も観察された。これらの粒子は都市内部から発生したエアロゾルが付着したと考えられる。一方、冷温帯林の試料では土壌粒子が多く付着していたが、植物に影響を及ぼすと考えられる粒子は観察されなかった。また、各地域の供試木の葉のクロロフィル濃度を測定したが、地域による違いはみられなかった。 本研究の結果から、北海道内では越境大気汚染物質由来のエアロゾル粒子が樹木の葉に付着していることが確認されたが、現時点では樹木への影響はみられないことが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)