Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
水圏に生息する多くの藻類は、変動するCO2不均一環境においても光合成を維持するための多段階の生存戦略を持つが、その制御機構の分子メカニズムは全く分かっていない。本研究は、モデル緑藻クラミドモナスを用いた順遺伝学的アプローチにより、CO2不均一環境における植物のレジリエンスの一端を明らかにする。水圏における光合成順化機構と、当該研究領域において中心となる陸上植物が持つ光合成順化機構との比較から、不均一環境における光合成維持のためのCO2獲得の制御機構の多様性と共通性について明らかにする。
本研究は、モデル緑藻クラミドモナスを用いた順遺伝学的アプローチにより、変動するCO2不均一環境において光合成を柔軟かつ頑健に維持するための多段階の生存戦略を分子レベルで明らかにすることを目的としている。この研究を通して、CO2不均一環境における植物のレジリエンスの一端を解明するとともに、水圏における光合成順化機構と陸上植物が持つ光合成順化機構との比較から、不均一環境における光合成維持のためのCO2獲得の制御機構の多様性と共通性について明らかにすることを目指した。本年度は、CO2濃度変化に応答して無機炭素輸送機構が切り替わる仕組みを分子レベルで解明することに焦点を当て、特に変動するCO2環境における光合成に不可欠なCO2濃縮機構を抑制する因子の同定を目指した。その結果、以下のことが明らかになった。まず、これまでCO2濃縮機構のマスター制御因子として同定されていたタンパク質の相互作用因子が抑制因子として働くことが示された。さらに、その相同性タンパク質もまた抑制因子として機能することが明らかになった。加えて、CO2濃縮機構の駆動に伴うATPのエネルギーロスを回避するために、抑制因子が必要であることが示唆された。さらに、CO2不均一環境におけるタンパク質の局在変化によって、柔軟かつ頑健に光合成を維持するメカニズムの一端が明らかになった。これらの成果は、変動するCO2環境下における植物の光合成制御機構の理解に重要な知見を提供するものであり、将来的には植物の環境適応戦略の解明につながることが期待される。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022 2021
All Journal Article (8 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 7 results, Open Access: 6 results) Presentation (20 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 2 results)
bioRxiv
Volume: -
10.1101/2024.03.04.583368
Photosynthesis Research
Volume: - Issue: 2 Pages: 181-192
10.1007/s11120-022-00996-7
PLANT MORPHOLOGY
Volume: 35 Issue: 1 Pages: 1-2
10.5685/plmorphol.35.1
Volume: 35 Issue: 1 Pages: 3-8
10.5685/plmorphol.35.3
Microbes and Environments
Volume: 38 Issue: 2 Pages: n/a
10.1264/jsme2.ME23015
BMC Plant Biology
Volume: 22 Issue: 1 Pages: 46-46
10.1186/s12870-022-03439-6
Plant Physiology
Volume: 188 Issue: 2 Pages: 1081-1094
10.1093/plphys/kiab528
The Plant Cell
Volume: 34 Issue: 2 Pages: 910-926
10.1093/plcell/koab293