非調和振動理論の新しい展開-水素結合クラスターへの応用
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Science for Supra Functional Systems ? Development of Advanced Methods for Exploring Elementary Process |
Project/Area Number |
22018008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
八木 清 University of Yamanashi, 講師 (30401128)
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Project Period (FY) |
2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 分子振動 / 量子化学計算 / 量子動力学 / 非調和計算 |
Research Abstract |
本研究課題は非調和振動理論を開発し,水素結合系の動的挙動の解明を目的としている。これまでに我々は孤立分子系に対する振動理論として振動擬縮退摂動論や瞬間振動状態解析法を開発してきた。本年度は,これまでの理論を周期系へ拡張した。エネルギーがサイズに対して無矛盾となる条件を見出し,それに基づき理論を定式化した。この方法をプログラムに実装し,高分子(ポリエチレン,ポリアセチレン)へ応用した。この方法により高分子の赤外スペクトルを高精度に求めることが初めて可能となった。また,非調和ポテンシャルを効率的に構築する方法論を新たに開発した。3次,4次の非調和定数からカップリングの強い振動モードを重点的に構築することで高精度かつ高効率に非調和性を評価することができる。この評価により,カップリングが強いと判断されたカップリング項は高精度な手法で構築し、一方、弱いと判断されたカップリングはレベルの低い手法で構築、あるいは無視することで、全体の精度を損なうことなく、効率よく計算することが可能となった。また,振動モードを局在化させることで効率的にポテンシャルを構築できることを理論的に明らかにした。系が大きくなるに従い基準振動モードは一般的に非局在化する傾向にある。これは系の様々なモードが偶然縮退するためであるが,このような広がった振動モードを用いてポテンシャルを多体展開すると収束が遅く不利であることを指摘した。この解決方法として,局在化した振動モードを用いることを提案した。従来の方法では異性体間におけるIRスペクトルの変化の方向性すら記述できず、定性的に破綻していたが、新しい方法は変化の方向性を正しく再現し、さらに実験精度に迫る計算が可能であることが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)