ユビキチン化による新たな自己応答性制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Immunological Self Recognition and its Disorders |
Project/Area Number |
22021047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
石戸 聡 独立行政法人理化学研究所, 感染免疫応答研究チーム, チームリーダー (10273781)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥9,800,000 (Direct Cost: ¥9,800,000)
Fiscal Year 2011: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2010: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Keywords | MHC class II / ユビキチン化 / 抗原提示 / ユビキチンリガーゼ / 樹状細胞 |
Research Abstract |
MHC class II(MHC II)は定常状態の抗原提示細胞においてユビキチン化されており、その発現が厳密に制御されている。このユビキチン化を行なっている酵素はMARCH-Iであり、その発現は抗原提示細胞に限局されている。抗原提示細胞である樹状細胞が活性化するとMARCH-Iの発現が減少し、抗原を提示するMHC IIが安定的に発現するようになる。従って、樹状細胞の活性化によりCD4 T細胞が活性化され免疫が開始すると考えられる。しかしながら、前年度にて、我々はMHC IIのユビキチン化消失によりCD4 T細胞の活性化はむしろ抑制される事を見出した。従って、MHC IIのユビキチン化消失は、免疫を促進するのではなく抑制していると考えられた。この意義を明らかにする為に、本年度は、抑制の分子機構を明らかにする事を試みた。抗原を提示するMHC IIの発現量は亢進している事から、樹状細胞のサイトカイン産生能、あるいは、MHC II以外のT細胞活性分子の発現状況を検討した。興味ある事には、ある細胞接着分子の発現が顕著に抑制されており、さらに、樹状細胞から産生されるT細胞刺激サイトカインの減少を見出した。しかしながら、T細胞との接着はMHC IIユビキチン化の消失によっても抑制される事はなかった。さらに、MHC IIユビキチン化が消失した樹状細胞の刺激応答性も抑制されていた。これらの抑制はCD86のユビキチン化抑制においては認められなかった。このように、MHC IIのユビキチン化消失は、樹状細胞機能の細胞表面分子の抑制、サイトカイン産生の抑制を通じてT細胞活性化を抑制している事が明らかとなった。MHC IIユビキチン化の消失が感染により引き起こされる事を考えると、MHC IIユビキチン化の消失は、感染後期において免疫応答を抑制し、過剰な免疫を止めるのではないかを考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)