シグナル伝達キナーゼによるリン酸化を介したFGヌクレオポリンの機能制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Target recognition and expression mechanism of intrinsically disordered protein |
Project/Area Number |
22113514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小迫 英尊 徳島大学, 疾患酵素学研究センター, 准教授 (10291171)
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Project Period (FY) |
2010 – 2011
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2011)
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Budget Amount *help |
¥11,700,000 (Direct Cost: ¥9,000,000、Indirect Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2011: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2010: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 核膜孔複合体 / 輸送運搬体 / 核-細胞質間輸送 / シグナル伝達 / リン酸化 / MAPキナーゼ / FGリピート / タンパク質間相互作用 / 核輸送因子 / ヌクレオポリン |
Research Abstract |
核膜孔複合体を構成する約30種のヌクレオポリンの内、約1/3はFGヌクレオポリンと呼ばれ、そのFG(フェニルアラニン-グリシン)リピート領域は典型的な天然変性タンパク質の機能を有している。以前よりヌクレオポリンが分裂期にリン酸化され、核膜孔複合体の解離を引き起こすことが知られていたが、近年のプロテオミクス技術の進展により、間期においても一部のヌクレオポリンがDNA損傷や酸化ストレス、ウイルス感染などによってリン酸化されることが明らかになってきた。本年度はまず、SPRやBeadHaloアッセイを行い、検討した6種類のFGヌクレオポリンのいずれもERK/MAPキナーゼによってリン酸化されると輸送運搬体の一つであるimportin-βとの相互作用が抑制されることを明らかにした。特にNup153のリン酸化によるimportinβとの結合能の変化を定量解析し、FGリピートの数とリン酸化部位の数によろて親和性が劇的に変化することを見出した。また細胞消化物からIMACによって精製したリン酸化ペプチドを安定同位体で化学標識した後、大規模に質量分析することによって120カ所以上のヌクレオポリンのリン酸化部位を定量した。その結果約40カ所のリン酸化が血清刺激によって2倍以上増加し、その中の約半分がERK経路に依存していることが判明した。さらにリン酸化型と非リン酸化型のNup153を固相化し、細胞抽出液からのプルダウン実験を行ったところ、リン酸化によって変化する様々な相互作用因子を同定することに成功した。この中には複数のimportin-βファミリータンパク質に加え、小胞輸送やDNA修復、ユビキチン系に関わるタンパク質などが含まれていた。近年FGヌクレオポリンが核-細胞質間輸送のみでなく、多彩な細胞機能に関与するとの報告がなされているため、その生理的意義を検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)