Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するためのモデリング技術を開発し,そのモデルに基づいて実世界における生物の群行動のメカニズムを解明,それを工学応用することである.そのため,グループを基にしたハイパーグラフおよび数学の群論における不変性を用いた数理モデルを採用する.生物の行動データからモデルを構築する方法として,複数の群作用に不変なモデル関数による選択的アプローチと,ニューラルネットワークで関数近似し不変性を導出するデータ科学的アプローチの二つを提案する.本研究成果は,生物学・データ科学・工学などの幅広い分野に波及することが期待される.
本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するモデリング技術を開発することである.生物の行動データからこのようなモデルを構築することができれば,生物の階層ナビゲーションや意思決定などを含む様々な群行動の発現メカニズムを解明できるとともに,生物の機能を模した工学技術(避難誘導・車両やドローンの群制御など)にも活かすことができる.昨年度に引き続き,データに基づいて生物の高度な群行動を説明できる,汎用的な数理モデルを構築するモデリング技術を開発した.特に本年度は,制御理論的な観点から,ニューラルネットワークによって安定性を保証するモデルの生成法を開発した.これは,データのない空間においても状態が発散しないことを保証するという意味で,生物の動作の事前知識を利用している.提案法で生成されるモデルには二つの特徴がある.一つ目は,生成されるモデルが分散的,つまり,モデルがグラフにおける近隣の相手にのみ依存するという群行動には欠かせない特徴である.二つ目は,平衡点が孤立点ではなく集合で与えることができることであり,これは相互作用によって収束先が変化するという複雑系の特徴を表した特徴である.一般的にこのように条件を加える毎にモデルの自由度が減ることで,モデルの表現力が落ちることが知られている.しかし,提案法では,非負関数の勾配に負定行列と歪対称行列の和を掛け合わせた新しいモデルを採用することで,表現力を向上させることに成功した.安定性を保証しながらこれらの二つの特徴を有するモデルは他に類を見ない,提案法のオリジナルである.さらに,数値例によって,これらの特徴を有しながら,群行動を表現できていることを示し,提案法の有効性を確認した.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Transactions of the Institute of Systems, Control and Information Engineers
Volume: 37 Issue: 1 Pages: 22-30
10.5687/iscie.37.22