Nucleation experiments of ice nanoparticles to understand the efficiency of molecular formation in the primitive solar nebula
Publicly Offered Research
Project Area | Next Generation Astrochemistry: Reconstruction of the Science Based on Fundamental Molecular Processes |
Project/Area Number |
23H03981
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 勇気 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50449542)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ダスト / 核生成 / 氷 / 実験 / 結晶成長 |
Outline of Research at the Start |
幅広い温度・密度領域からなる原始太陽系星雲内の、10-300 Kの中間温度領域では、分子雲でダスト上に形成した氷は蒸発、再凝縮する。昇華は熱平衡で起こるのに対して、凝縮は核生成を伴うために非平衡過程で進む。それゆえ、理論予測は難しく、高温を経験したダストが再度氷で覆われるための温度・密度条件(星雲内での時空間スケール)は自明ではない。本研究課題では、気相からの氷の核生成実験により、再凝縮を理論的に予測するために必須の物理量(氷ナノ粒子の表面自由エネルギーと付着確率)を求めることを目的とする。これにより、原始太陽系星雲内の任意の環境におけるダストの表層鉱物と表面積を見積もることが可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、高温のガスが冷える過程で核生成を経て固体微粒子が形成するガス中蒸発法が、宇宙ダストの生成過程に類似している点に着目した。ガス中蒸発法では、出発物質や雰囲気ガスなどの実験条件を選ぶことで、金属、酸化物、ケイ酸塩、硫化物、炭化物など実に多様なナノ粒子を形成することができる。しかし、これまで揮発性の高い物質には適用できていなかった。本研究では、この手法を大幅に改良して氷やその関連物質に初めて適用し、新たに揮発性物質のナノ粒子を生成可能な低温ガス中蒸発法を確立する。そのために、初年度は、気相から氷やその関連物質のナノ粒子を生成できる、「低温ナノ粒子生成装置(ALADDIN: Advanced Laboratory Apparatus for Direct Detection of Ice Nucleation)」を完成させた。氷には一酸化炭素や二酸化炭素、アンモニアなどもあるが、本研究課題では主成分である水(H2O 又は D2O)から始めている。 完成した低温ナノ粒子生成装置を二波長マッハツェンダー型レーザー干渉計に組み込み、液体窒素で冷却したネオンガス中で、蒸発源として用意した氷を抵抗加熱により昇華させて水蒸気を発生させることに成功した。その水蒸気が冷却する過程で均質核生成を経て氷ナノ粒子へと成長する過程を干渉計でその場観察することで、核生成する際の温度場と濃度場を可視化した。 また、核生成経路を調べるために、赤外線スペクトル“その場”測定装置を完成させ、結晶構造に起因する吸収の特徴の時間変化を追えるようにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度の下記の3つの計画を予定通り達成したために、順調に進展していると判断した。 計画1.ガス中蒸発法を大幅に改良して氷やその関連物質に初めて適用し、新たに揮発性物質のナノ粒子を生成可能な低温ガス中蒸発法を確立するために、気相から氷やその関連物質のナノ粒子を生成できる、「低温ナノ粒子生成装置」を完成させる。 計画2.完成した低温ナノ粒子生成装置を二波長マッハツェンダー型レーザー干渉計に組み込み、液体窒素で冷却したネオンガス中で、蒸発源として用意した氷を抵抗加熱により昇華させて水蒸気を発生させる。その水蒸気が冷却する過程で均質核生成を経て氷ナノ粒子へと成長する過程を干渉計でその場観察することで、核生成する際の温度場と濃度場を可視化する。 計画3.核生成経路を調べるために、赤外線スペクトル“その場”測定装置完成させ、結晶構造に起因する吸収の特徴の時間変化を追えるようにする。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の核心をなす学術的「問い」は、分子生成における気相反応と表面反応の寄与の程度を知ることにある。そのためには、気相からの氷の核生成過程を理解し、表面反応に供されるダストの表面物質やサイズ(表面積)を知る必要がある。今後は、初年度に立ち上げた実験装置を用いて、宇宙ダストに最も重要な粒子サイズ(数十nm)、かつ、過飽和環境下で氷の宇宙ダスト(氷ナノ粒子)の核生成実験を行うことで、核生成理論によるダスト生成の予測に必須の氷ナノ粒子の付着確率と表面自由エネルギーを決定し、核生成経路も明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)