Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
生体内で起きる様々な生理現象や生体機能を理解するためには、生体内の分子ダイナミクスをラベルフリーかつ高感度に計測することが必要である。本研究では、蛍光や散乱を用いた従来の生体イメージングの利点である高い空間分解能と、赤外分光法の高い検出感度と分子同定能力を両立する新たな生体化学イメージング法の開発を目的とする。そのために、散乱光をプローブ光として用いる「中赤外光熱変調散乱計測」を基軸とした、生体イメージング基盤の確立を目指す。本研究によって、生体機能や生理現象に関する新たな知見を得るだけでなく、生体内の散乱現象を包括的に理解できることも期待され、散乱透視学に貢献する。
本研究では、蛍光や散乱を用いた従来の生体イメージングの利点である高い時空間分解能と、赤外分光法の高い検出感度と分子同定能力を両立する新たな生体化学イメージング法の開発を目的とした。本年度は、申請者が近年開発した、散乱光をプローブ光として用いる「中赤外光熱変調散乱計測」を基軸とした、生体イメージング基盤を確立した。本手法を用いることで、微生物が形成するバイオフィルムの構成分子を非標識に可視化することに成功した。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
申請当初の目標であった、散乱光をプローブ光として用いる「中赤外光熱変調散乱計測」を基軸とした、生体イメージング基盤を確立することに成功している。また、微生物計測に応用し、化学イメージングから生命現象に関する新たな知見を得ることにも成功している。
今後は、中赤外分光イメージングによる細胞内の生体ダイナミクス観察に注力する。顕微鏡観察下で細胞が増殖する培養環境を模倣する要素技術の開発を行うことで、細胞内で変化する化学ダイナミクス観察を実現する。枯草菌の細胞増殖の過程をモニタリングする原理検証を行ったのちに、酵母やバクテリアなどの細胞内の脂質ダイナミクス観察を狙う。
All 2023
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (2 results)
The Analyst
Volume: 148 Issue: 24 Pages: 6241-6247
10.1039/d3an01453c