Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
自閉症などの神経発達障害は、遺伝学的異常を原因とする先天的脳機能障害であるため、臨界期を過ぎて病態が固定された後は、根本的治療は不可能であると考えられてきた。本研究は、自閉症モデルマウス(Nlgn3 R451CとIqsec2 KOマウス)を用いて臨界期後の遺伝子操作により、これらマウスの社会行動の異常の改善を目指すものである。特に、セロトニン作動性ニューロンに焦点を当てたmPFCでの臨界期後レスキューのメカニズムの解明と腹側海馬歯状回での成熟後ニューロン新生と社会行動異常との関係に主眼を置き、これらを遺伝学的に操作することにより、革新的な自閉症治療法の可能性を見出すことを目的とする。
自閉症モデルであるneuroligin-3 R 451Cノックインマウス、IQSEC2ノックアウトマウス、胎生期ニコチン暴露モデルマウス、胎生期バルプロ酸暴露モデルマウスについて、自閉症の共通のバイオマーカーを探索する目的で、海馬における成熟ニューロン新生に着目し、研究を行った。これらの成熟マウス(P42-46)にBrdUを投与し、2週間後にBrdU抗体を用いた免疫組織染色により、海馬ニューロン新生を、野生型マウスと比較検討した。この結果、これらの全てのモデルマウスにおいて、腹側海馬歯状回でのニューロン新生が、野生型マウスと比較して、低下していることを見出した。また、この部位で未熟なニューロンマーカーであるDCX陽性ニューロンも低下していたことから、これらのモデルマウスで神経前駆細胞からの増殖、分化が低下していることが示唆された(Sun et al., Front Neural Circuits 2024)。また、自閉症の社会行動の異常に関する責任領域として、我々はこれまで内側前頭前皮質の神経回路に着目して研究を行ってきた。IQSEC2ノックアウトモデルマウスでは、この部位に正常IQSEC2発現アデノ随伴ウィルスを導入することで、社会性の異常が改善される結果を得られていた(Mehta et al., Cells 2021)。我々のこの結果に対して、海外のIQSEC2関連遺伝子疾患の患者団体が興味を持ち、それを主催する研究者がこれをに基づいた遺伝子治療を開発する計画を考え、我々と共同研究することになった。彼らが開発したヒトIQSEC2発現ウィルスを我々のIQSEC2ノックアウトマウスの内側前頭前皮質にインジェクションすることで、社会行動の異常のレスキュー効果を確認した。これに基づき、彼らと共同で遺伝子治療の臨床試験開始に向けた、承認申請の準備を進めているところである。
令和6年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 Other
All Int'l Joint Research (2 results) Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 4 results) Remarks (1 results)
Frontiers in Neural Circuits
Volume: 18
10.3389/fncir.2024.1504191
General Psychiatry
Volume: 37 Issue: 5
10.1136/gpsych-2023-101430
Journal of Perioperative Practice
Volume: 35 Issue: 5 Pages: 156-162
10.1177/17504589241232503
eLife
Volume: 12 Pages: 89376-89376
10.7554/elife.89376
Cells
Volume: 13 Issue: 3 Pages: 275-275
10.3390/cells13030275
Genes
Volume: 14 Issue: 8 Pages: 1656-1656
10.3390/genes14081656
https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-2seiri/ja/index.html