Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
◆ 血管新生の細胞運動の定量モデル開発: ゼブラフィッシュの血管新生過程の画像から細胞運動を定量化し、定量数理モデルを構築する。Celluar Potts Model の定量バージョンを提案する。◆ 指向性のある血管成長の原理の解明: 定量モデルの細胞を複数設置し、血管新生の過程を再現することで作業仮説の妥当性を検証する。細胞外の誘引因子と血管細胞集団の力学的関係が個別の役割を果たしていることを示す。
血管新生とは、既存の血管から新たな血管が形成される現象の総称であり、主に創傷治癒や臓器形成の過程で観察される。ゼブラフィッシュの血管新生において、レーザー照射で後続細胞を除去すると、VEGF(血管内皮増殖因子)の存在下でも前方細胞の運動が停止する。しかし、再び後続細胞が結合すると前方細胞は動き始める。このことから、血管細胞の運動は化学シグナルのみに依存しないことが示唆される。本研究は、血管新生のメカニズムとその秩序形成の解明を目的とする。特に、VEGFに誘引されないTip細胞が他細胞との物理的接触により移動し始める現象に焦点を当てる。これまで、Cellular Potts Model(CPM)などが用いられてきたが、実験データとの整合に限界があった。そこで本研究では、機械学習による定量的数理モデルを構築し、力学的要素を含む血管新生の原理を明らかにする。まず、ゼブラフィッシュの新生血管において、レーザー切除により孤立したTip細胞のライブセルイメージングデータ(日本医科大学・福原茂朋教授提供)を解析し、Tip細胞の形状を正確に定量化して、細胞が生成する機械的力を近似した。この力による基質変形、細胞エッジの曲率、エッジからの距離を定量・推定し、それらをピクセル値とする画像を入力画像とし、出力を「拡張」または「退縮」とするラベルをCNNで学習した。テストデータによる運動予測精度評価の結果、停止・拡張・退縮の各クラスがフレーム平均で70%程度で分類可能であった。一方、異なるクラスが隣接する境界では予測精度が低下し、特徴量の不十分さや手動ラベリングの誤差が要因と考えられた。今後は、確率的予測手法の導入と、細胞形状の自動定量化によるラベリング精度向上が課題である。
令和6年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biophysical Journal
Volume: 122 Issue: 23 Pages: 4542-4554
10.1016/j.bpj.2023.10.032
https://github.com/sakulab-software/Bayesian_Force_Estimation