Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
地殻中のヨウ素は約70%が海底堆積物中に含まれていると推定されており,ヨウ素はプレートの沈み込み帯における流体の移動を調べる上で重要な指標となる可能性がある.本年度は,背弧域および前弧域に産出する高ヨウ素濃度の地下水形成過程を明らかにするため,北海道幌延地域および常磐―浜通り地域においてヨウ素同位体比の測定を行った.北海道幌延地域では,日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターで掘削されたボーリングコア試料(珪藻質泥岩・珪質泥岩)および地下水試料からヨウ素を抽出し,ヨウ素同位体比を測定,比較した.その結果,ヨウ素同位体比は岩石よりも地下水の方が低く,均一な値を示した.ヨウ素同位体比から推定される地下水のヨウ素年代は約4200-6000万年で,産出する地層の年代(200-1300万年)よりもはるかに古い.そのため,背弧海盆である天北堆積盆において,産出する地層よりも下位の地層において岩石からヨウ素が解離・濃集し,高ヨウ素濃度の地下水を形成したと考えられる.一方,常磐―浜通り地域では,花崗岩および堆積岩から採水した温泉水中のヨウ素同位体比を測定した.いずれの試料でもヨウ素年代として約4000万年であった.また,ヨウ素/塩素比は温泉水の温度と相関し,特に常磐地域の花崗岩から採水された温泉水で高温,高ヨウ素/塩素比を示した.本地域は火山フロントから遠いため,ヨウ素は沈み込んだ堆積物を起源とし,断層や亀裂を通って地下深部から供給されていると考えられる.
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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放射光
Volume: 27 Pages: 20-28
40019965828