Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
固体触媒を充填した反応器に液とガスを流通させて行う気液固系のフロー反応は、生産性で極めて優れている。しかし、気液固の3相が複雑な流動状態を形成するため、その設計には、感と経験に加え、試行錯誤での検討が必要となっている。本研究では、気液固反応用のフロー反応装置を自動最適設計することを目指し、内部流動状態と化学反応の関係理解に基づいた反応成績予測手法の開発を実施する。有機合成化学の多様性に対応するため、構築したデータベースに対して転移学習を行い、少数の新規データからの反応成績予測実現を目指す。
本粘度は、気液固三相を扱うフロー反応系の設計合理化に向けた基礎的検討として、微粉触媒の希釈による充填層の流動特性改善を目指した。フロー反応は高い生産性を有する一方で、三相の複雑な流動状態が装置設計の障壁となっている。そこで本年度では、触媒と不活性粉末の混合による圧力損失の低減効果を検証し、特定の希釈材が触媒粒子の分散を促進することで、流動性向上に寄与する可能性を示した。さらに、触媒粒子と希釈材の物性の組合せが流動挙動に与える影響を観察により明らかにした。これらの知見は、反応性能予測に資するデータベース構築や、少量のデータからの転移学習応用に向けた指針として活用できると期待される。本成果は、反応装置の自動設計や化学反応の最適化支援に向けた重要なステップであり、今後の展開に繋がるものである。また、デジタル有機合成の班員とも積極的な共同研究活動を実施し、フロー反応装置での速度論解析や混合装置開発、流動状態と反応特性の評価などに取り組んだ。得られた成果は複数の共著論文としての投稿・出版に至っている。自動化フロー反応装置についても改良を行い、気液系だけでなく液液系にも対応し、油水それぞれをインラインで分離・分析できるようにした。分析方法についても改良を重ね、超高速クロマトグラフィーを活用することで2分弱での高速定量を実現できた。
3: Progress in research has been slightly delayed.
研究代表者の人事異動により、構築した実験装置の解体・移設・再セットアップが不可避となり、当初予定よりもやや進捗は遅れている。
近年急速に発達している大規模言語モデルを、計算コードの開発、装置運用の手順整備、研究データの管理と解析に積極的に活用し、研究成果の生産性を向上させていく。むろん、データの秘匿性には最新の注意を払う。