Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
琉球王朝時代に琉球の人びとが潜在的に得られた食資源は多様化するが、実際にどのくらい多様な食物が人びとに摂取されていたかは不明である。本研究では、琉球王朝時代の多量の糞石に対し、古代タンパク質を網羅的に同定する古代プロテオミクスを適用し、食物に由来するタンパク質を高解像度に検出する。これにより、実際に食べられていた食物の分類群や部位までも明らかにし、動物遺存体や花粉などの考古学的知見と比較する。琉球王朝時代の食の多様性を貴重な遺物と新規な手法で高解像度に復元することで、琉球列島の独自の歴史と文化の一端を解明することを目指す。
首里城のシーリ遺構から出土した糞石のサンプリングを実施した。そのうち一部については既存のタンパク質抽出方法を利用してプロテオーム解析を実施した。しかし、古代タンパク質は同定されず、分析した資料の残存状況が悪いものと推定された。抽出方法の検討のための現生の霊長類の糞については問題なく採取が実施できており、一部についてはすでにプロテオーム解析を実施した。こちらは考古の糞石と異なり非常に多くのタンパク質が同定できた。抽出方法の検討にはサンプルの数も必要であるため、サンプリングも継続した。現生のオランウータンの糞を対象にして実施した糞プロテオミクスの結果については学会で発表し、その成果を投稿論文にまとめて投稿を進めている。糞石のような貴重な考古資料や古生物標本について、破壊分析をすることにどのような問題があり、どのような検討事項があるかを議論するセッション「Unlocking hidden barriers and access inequities to museum collections for destructive sampling methods in archaeology and paleontology: toward a facilitated dialogue and understanding of power balance」を自然史標本系の国際学会であるSPNHC-TDWG2024(The Society for the Preservation of Natural History Collections and Biodiversity Information Standards)にて主宰し、自身も口頭にて発表を行なった。各国からの参加者とのあいだで活発な議論を実施することができた。研究補助者に実験作業などを一部実施してもらうことで、効率的に研究を進めることができた。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
古代タンパク質の残存状況が悪く同定結果が芳しくなかったことは想定外だったが、糞石資料のサンプリングと分析を当初の予定通りに進めたため。また、抽出方法検討のための現代霊長類の糞試料についても採取し分析を実施したため。研究補助者を雇用したことによって、効率的に研究を進めることが可能になった。
古代土壌のDNA分析で示された結果を参考にすると、糞石に残存する古代分子は空間的に非常に不均質な分布を示している可能性がある。そのため、残りの糞石についても古代プロテオーム解析を進め、古代タンパク質が同定できないか検証を続ける。あわせて、現生の霊長類の糞を引き続き採取してプロテオーム解析することで、効率的なタンパク質の抽出方法を検討し、どのようなタンパク質が残存しやすいのかといった検討を進める。
All 2024 Other
All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Remarks (1 results) Funded Workshop (1 results)
https://www.youtube.com/watch?v=cUNpSBNC_M8