魚類の共感能力と関連認知能力の解明およびそこから見える脊椎動物の共感性の系統発生
Publicly Offered Research
Project Area | Empathic system |
Project/Area Number |
26118511
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
幸田 正典 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (70192052)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2015)
|
Budget Amount *help |
¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
Fiscal Year 2015: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2014: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
|
Keywords | 社会的共感性 / 互恵的利他行動 / 向社会性 / 共感性の系統発生 / 自己認識と他者認識 / 初期脊椎動物としての魚類 / 意図的欺き / 基本感情 / 共感性 / 自己認知 / 他者認知 / 社会的認知能力 / 意図的だまし / 系統発生 / 脊椎動物 / カワスズメ科魚類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題研究は、社会性魚類における共感性を調べることで脊椎動物の共感性の起源を探索ろうとしれいる。期間内に1、推移的推察、2、顔認知に基づく個体認識などの社会的認知、3、しっぺ返し戦略に基づくなわばりの親敵関係、4、ペア繁殖種における正および負の共感性の予備的検証実験などで成果を上げることができた。 今回の研究から社会性魚類の認知能力は従来思われてきた以上に発達していること、その中には自己鏡像認知も含まれ、自己認識をしている可能性が非常に高いこと、ペア繁殖魚の間では相手を助けるあるいは相手に利する共感的な行動が認められることが強く示唆された。魚類における共感性を調べた研究はこれまでほとんどなく、今回の研究成果は画期的と言える。 共感性実験では、具体的には負の共感として相手への電気負荷に対する救済行動、正の共感として相手個体への給餌を指標として用い、比較的短期間に救済や給餌による援助や救済行動が認められた。魚類では情動伝染はあっても特定個体へ向社会的行動ははじめての発見であり、この研究成果の意義は高い。 以上のように、社会的認知能力だけではなく共感性においても相手個体を正確に認識した上でなされており、魚類でもおそらく自分の行為の持つ意味を「理解」した上で、共感行動を行っている訳である。我々の研究成果は共感に必要な高い認知能力、それにともなう多様な情動がすでに脊椎動物の進化の初期段階ですでに生じている可能性を示している。これらは、同時に実施しているホンソメワケベラなどの社会性魚類における自己鏡像認知と大きく符合するものであり、これらを合わせ、社会性魚類の共感性や社会認知能力の抜本的な見直しが必要かつ画期的な成果が期待できるでことを示唆する成果と言える。これらは、脳神経科学の最近の知見とも、その方向性はおおむね合致し、相補的な展開が今後期待される成果と言える。
|
Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Report
(2 results)
Research Products
(22 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Group composition, relatedness, and dispersal in the cooperatively breeding cichlid Neolamprologus obscurus.2015
Author(s)
Tanaka, H., Heg, D., Takeshima, H., Takeyama, T., Awata, S., Nishida, M. & Kohda, M.
-
Journal Title
Behavioral Ecology and Sociobiology
Volume: 69
Issue: 2
Pages: 169-181
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 動物に見られる嘘2015
Author(s)
幸田正典
Organizer
日本心理学会
Place of Presentation
名古屋国際会議場(愛知県名古屋市熱田区)
Year and Date
2015-09-07
Related Report
Invited
-
-
-
-
-