情動的意思決定の分子イメージング

  • 高橋 英彦
    京都大学大学院 医学研究科 脳病態生理学講座 精神医学教室

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タイトル別名
  • Molecular neuroimaging of emotional decision-making
  • ジョウ ドウテキ イシ ケッテイ ノ ブンシ イメージング

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抄録

伝統的な経済学では意思決定者は個人の利得を最大限になるように“合理的”に振舞うと想定してきた。しかし,実際の人間は,時に“非合理”あるいは“限定的に合理的”な意思決定を行い,情動・同情・モラル・使命感なども意思決定に重要な役割を担っているということが行動経済学・実験経済学で実証的に示されている。これまでのfMRIを用いた神経経済学において“非合理”あるいは“限定的に合理的”な意思決定には,情動反応などにかかわる皮質下の脳部位が重要な役割を担っていることがわかってきた。次のステップとしては,この脳内過程における神経伝達物質(ドーパミン,ノルアドレナリンなど)のかかわりを理解する必要がある。最近の著者らの分子イメージングによる情動的意思決定と神経伝達物質との関係を検討した研究を中心に概説する。

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