研究領域 | ガンマ線バーストで読み解く太古の宇宙・研究の総括 |
研究課題/領域番号 |
19047002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
河合 誠之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 教授 (80195031)
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研究分担者 |
中村 卓史 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80155837)
太田 耕司 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50221825)
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研究期間 (年度) |
2007 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
34,500千円 (直接経費: 34,500千円)
2011年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2010年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2009年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2008年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2007年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | ガンマ線バースト / 最初の星 / 天体形成史 / 重元素進化 / 宇宙再電離 / 銀河形成進化 / 初代星 / 光赤外線天文学 / X線天文学 / γ線天文学 / X線検出器 |
研究概要 |
本領域の目的は、宇宙最大の爆発であるガンマ線バースト(GRB)を用いて、謎に包まれた太古の宇宙を解読することである。具体的には、GRBの宇宙論への応用、星形成率の歴史の推定、また、重元素の合成と宇宙の再電離の歴史の解明などを領域の目標として4年間の研究を行ってきた。計画研究としてガンマ線、X線で観測するバースト本体の爆発的放射と、可視光・近赤外領域の残光のための観測装置の開発を進めるとともに、人工衛星および国内の専用望遠鏡と「すばる望遠鏡」を用いた観測を行ってきた。また、GRB発生のメカニズムを明らかにし、宇宙の初代の星からのGRB観測をサポートするための理論研究を計画研究として実施し、関連する研究を公募研究として実施した。その結果、領域開始現在までに50を超える査読論文として研究成果を発表した。この研究のとりまとめとして、本年度は平成24年2月6-8日に領域シンポジウムを実施した。さらに3月12~16日にIAU(国際天文連合)シンポジウム"Death of Massive Stars"(組織委員長:河合、P.Roming,E.Pian、実行委員長:前田啓一)を日光で共催した。このシンポジウムには、国外からの参加者99人を含む159人が参加し、大質量星の一生を締めくくる巨大な爆発現象である中心核崩壊型超新星とガンマ線バーストに関して、本領域の成果など最新の知見を交換し、様々な観点からの議論を通じて理解を深めた。さらに集録を単行本として発行し、本領域の活動の集大成とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本領域の実施によって、ガンマ線バースト研究は、いままでの高エネルギー天体物理の小さなコミュティの研究テーマから、光赤外天文学、銀河天文学、恒星天文学、宇宙論など広い分野において重要性を認識される天文学の主要テーマの一つに成長した。また、国際的にも本領域の成果により、日本のガンマ線バースト研究が高く評価され、二回の国際シンポジウムに多数の海外からの参加者が集まった。その成果は2冊の集録に結実した。
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今後の研究の推進方策 |
本領域は計画どおりの研究成果を上げて終了したが、「宇宙の一番星」からのガンマ線バーストを直接検出するという最終目標は、将来の観測に委ねられる。これは、「われわれの住む宇宙はどのように始まったか」という自然科学の根本問題に寄与する重要な課題である。本領域で得られた研究上の知見、観測装置開発の成果、研究を通じて形成された国内および海外研究者との交流ネットワークを基盤として、宇宙再電離期以前の宇宙からのガンマ線バーストの詳細観測を実現するため、衛星ミッションおよび地上観測装置の開発と、観測体制の構築の実現をめざした努力を継続していかなくてはならない。
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