研究領域 | 細胞システムの自律周期とその変調が駆動する植物の発生 |
研究課題/領域番号 |
19H05670
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
中島 敬二 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80273853)
|
研究分担者 |
上田 貴志 基礎生物学研究所, 細胞動態研究部門, 教授 (10311333)
植田 美那子 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20598726)
望月 敦史 京都大学, 医生物学研究所, 教授 (10304726)
近藤 洋平 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 助教 (00724444)
稲見 昌彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00345117)
遠藤 求 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80551499)
深城 英弘 神戸大学, 理学研究科, 教授 (80324979)
河内 孝之 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
小田 祥久 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (30583257)
塚谷 裕一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (90260512)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
278,590千円 (直接経費: 214,300千円、間接経費: 64,290千円)
2023年度: 32,630千円 (直接経費: 25,100千円、間接経費: 7,530千円)
2022年度: 39,260千円 (直接経費: 30,200千円、間接経費: 9,060千円)
2021年度: 32,630千円 (直接経費: 25,100千円、間接経費: 7,530千円)
2020年度: 39,260千円 (直接経費: 30,200千円、間接経費: 9,060千円)
2019年度: 134,810千円 (直接経費: 103,700千円、間接経費: 31,110千円)
|
キーワード | 植物発生 / 周期性 / 画像解析 / 数理解析 / 人間拡張工学 / 細胞動態 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は一生を通じて器官や組織を作り続けながら成長する。このような特性に起因して、植物の形態には固有の周期性が現れる。植物の周期形態は遺伝的プログラムや環境変化といった、内的・外的因子により変化し、植物はこれを積極的に利用することで、器官のかたちや細胞の機能を変化させる。植物の形態や成長に現われるこのような「可塑的な周期性」は、植物個体の内部に潜在する未知の周期性とその変調に起因すると考えられるが、周期の実体やそれが形態へ現れる仕組みは不明である。本新学術領域では、植物科学者・情報科学者・理論生物学者が密接に連携して共同研究を展開し、周期と変調の視点から植物の発生原理を解明する。
|
研究実績の概要 |
本年度もCovid-19による制限下でオンラインツールを併用し活発な活動を展開した。年度当初に公募班グループミーティングをオンラインで開催した。領域会議と総括班会議は6月と1月にハイブリッド方式で開催した。 国際活動支援においては、"From Cellular Dynamics to Morphology III"と題したウェビナーシリーズを開催し、領域活動を国際的に可視化した。23か国から538名の参加登録があった。 若手支援として、合宿形式での対面のワークショップを復活させ54名の参加者を得た。参加者による研究発表の他、画像解析道場、数理解析道場、キャリア支援セミナーを開催した。人間拡張道場として、第2回融合研究コンペを開催し、優勝チームに実装経費を支給した。若手国際派遣支援に5件の応募を採択した。 本年度から論文掲載支援を開始することとし、6件の応募の中から総括班員による審査を経て5件を採択した。また新たにシングルセル解析支援を開始することとし、博士研究員と研究補佐員を雇用して技術開発を行った。 融合研究の促進については、Plant and Cell Physiology誌に、Human-Machine Collaboration in Plant Biologyと題する特集号を刊行することとし、投稿の募集を行った。日本植物学会第86回大会(京都)において「細胞メカニクス研究の最前線~拡張し続ける視覚と認知の到達点~」と題したシンポジウムを開催した。また領域代表者が「植物x人間拡張工学-異分野「研究者」の融合」と題する講演を行った。同様に、コンピュータビジョンとイメージメディア研究会(函館)において、領域代表者が「植物発生学の基礎研究における画像認識技術の活用と今後の課題」と題した講演を行い、基礎生物学研究における画像解析技術の活用例と重要性を紹介した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Covid-19による制限が残っていたが、オンラインツールを併用することで、領域会議や、ウェビナーシリーズを開催することが出来た。ウェビナーシリーズには国内外から多くの参加者があり、領域活動を可視化することが出来た。合宿形式で開催した若手ワークショップでは、若手研究者のネットワーキングや、解析道場の開催を通じた意識改革を行うことが出来た。海外渡航制限で得た余裕を有効活用するため、論文掲載支援とシングルセル解析支援を開始し、班員の研究成果の公開と、研究活動の展開に資することが出来た。学会誌特集号の刊行準備や講演活動を通じ、研究者コミュニティーにおける、異分野融合研究の促進に貢献することが出来た。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、計画研究の研究代表者8名と研究分担者3名の計11名が総括班を構成し、領域代表者の中島の統括のもと連携して領域の推進に当たる。 領域会議については、7月と1月に開催する。領域会議に付随して総括班会議を開催し、評価委員や学術調査官を交えて、関連分野の動向分析と領域運営の計画と実績を確認する。総括班による、①細胞動態観察支援、②画像情報解析支援、③理論モデル構築支援(数理生物学支援)、④一細胞解析支援、の4つの研究支援を継続する。画像解析支援と数理生物学支援については、総括班の各担当者のイニシアチブにより研究会(道場)を開催する。人間拡張工学については、若手融合コンペの受賞者らによる開発を進め、論文や国際会議での成果公開を目指す。 国際活動支援班では、千葉県で開催予定の国際シロイヌナズナ会議2023 (ICAR2023)において、共催シンポジウムを開催する。これに合わせて、海外の有力ラボと班員のラボの若手研究者による合宿形式の国際ワークショップの開催を計画している。若手海外渡航支援についても募集を継続する。 異分野融合研究の促進に資するため、Plant and Cell Physiology誌に Human-Machine Collaboration in Plant Biolgoyと題した特集号を刊行する。投稿論文のハンドリングを進め、秋ごろの刊行を目指す。広報活動においては、引き続きSNSやプレスリリースを通じた広報活動を継続するほか、東大小石川植物園において、植物学と情報学の融合研究の成果を体感するための展示やワークショップを開催する。研究成果の取りまとめに向けた準備を行う。
|