研究領域 | 人間機械共生社会を目指した対話知能システム学 |
研究課題/領域番号 |
19H05690
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石黒 浩 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 教授 (10232282)
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研究分担者 |
河原 達也 京都大学, 情報学研究科, 教授 (00234104)
新保 史生 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 教授 (20361355)
杉山 弘晃 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 協創情報研究部, 主任研究員 (30742283)
港 隆史 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 石黒浩特別研究所, 客員研究員 (50359858)
吉川 雄一郎 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (60418530)
東中 竜一郎 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90396151)
槇原 靖 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90403005)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
316,810千円 (直接経費: 243,700千円、間接経費: 73,110千円)
2023年度: 56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
2022年度: 56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
2021年度: 65,650千円 (直接経費: 50,500千円、間接経費: 15,150千円)
2020年度: 56,290千円 (直接経費: 43,300千円、間接経費: 12,990千円)
2019年度: 82,290千円 (直接経費: 63,300千円、間接経費: 18,990千円)
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キーワード | 自律ロボット / 対話システム / 実証実験 / 行動決定モデル / 社会規範 / 対話ロボット / 対話理解 / 対話継続 |
研究開始時の研究の概要 |
近未来においては様々な家電製品やロボットが自律的に活動するようになるとともに,意図や欲求を持ち,意図や欲求を持つが故に,それらを利用する人間との間で,言語を用いながら互いの意図や欲求を理解し合い,共生していくという関係を築くことができるようになる.このような情報化社会の次に来るべく,人間と知能ボットや情報メディアが共生する社会を実現するための,新たな学術分野を創成する.
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研究実績の概要 |
令和4年度は計6回の総括班ミーティングを開催し,各研究グループの研究進捗状況の確認,公開シンポジウムや領域会議等のイベント企画,実証実験の実施補助,グループ間の連携促進等を行った. 2022年9月4日(日)に,日本科学未来館・未来館ホールにて「対話知能学2022年度公開シンポジウム」を開催した.会場には50名の領域関係者・一般参加者が,オンラインからは150名以上の一般参加者が参加した.同シンポジウムでは「対話システムの未来と開発戦略」というテーマを掲げ,このテーマをもとに4名の計画班研究代表者,および2名のゲスト(福知山公立大学 西田豊明氏,慶應義塾大学 栗原聡氏)が講演した.さらに領域代表と計画班研究代表者,ゲストを交えたディスカッションを行った.また,計2回の領域全体会議(非公開)を実施した.第1回(2022年9月5日)では公募班研究代表者20人による研究紹介と,班をまたいだ連携に向けた計画班研究代表者4による報告を行った.第2回(2023年3月4日~5日)では,計画班・公募班の研究者を交えた各班3名,各20分の研究発表と,人数制限なしの各10分の研究発表を行い(総発表者数38名),9名のポスター発表を行った.また,共同研究の促進を目的として,研究者交流会(2023年3月5日)を開催した. 実証実験に関しては,昨年度に引き続き実証実験のための施設,そしてロボット・アンドロイドを研究者に貸し出すことで,実証実験の促進に努めた.日本科学未来館とEXPOCITYのみならず,医療の現場での実証実験をも支援した.また,対話システムの検証の場として「対話ロボットコンペティション2022」の実施を支援し,予選にて対話システムの評価を行った. 日本科学未来館と連携し,来館者を対象としたイベントおよびシティミーティングを企画し,研究者が市民と対話するための場を形成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は特に中間評価結果を基に研究の取り組み方を改善していった.領域全体会議を2回(9月,3月)開催した.具体的には,9月の会議では領域内の各計画班・公募班の連携を強化するプログラムを組み,A04班を中心としたディスカッションの場を設けた.3月の会議ではこれまでの研究を踏まえた新たな構想を検討するプログラムを組み,より独創的な研究の生成を促した.また,公開シンポジウムを1回(9月)開催し,対話システム・人工知能の第一人者たちを呼んで「対話システムの未来と開発戦略」と題したパネルディスカッションを行い,本研究が取り組むべき課題および本研究の発展性を検証した.また,研究者交流会を1回(3月)実施し,新しい研究を創発させるべく研究者間の積極的な意見交換を促進した. 社会連携の強化に関しては,日本科学未来館の科学コミュニケータの協力によるオンラインイベントを計4回(5月,8月,11月,1月)実施した.これと同時に,現地の未来館にて市民とのミーティングも実施し(11月,1月),本研究が目指す知能ロボットや情報メディア開発に関して,一般参加者も交えた議論の場をもった.これらを通じて市民と連携し,社会の要望等を調査してきた. 実証実験に関しては,「日本科学未来館」(東京都江東区)にてアンドロイドによる対話システムの検証,対話ロボットの姿勢が話しかけ行動に与える影響に関する実証実験を行った(計3件).また,「EXPOCITY」(大阪府吹田市)にて複数の対話ロボットによる対話への効果の検証,移動型ロボットを用いた実証実験を行った(計4件).「ありまこうげんホスピタル」(兵庫県神戸市)にて月に一度,対話ロボットを用いた実証実験をコミュニケーション訓練として行った(内7回はデイケアとしての実施).さらに,「対話ロボットコンペティション2022」の実施を支援し,実践の場の問題発見を促進した.
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今後の研究の推進方策 |
最終年度である令和5年度では,論文執筆などを通して研究成果のとりまとめを行うとともに、当該領域を未来に向けてさらに発展させるための、新たな研究にも積極的に取り組んで行く.総括班では引き続き2カ月に1回の頻度で総括班ミーティングを開催し,領域全体の研究方針の策定や,各研究グループの研究進捗状況の確認,各研究グループ間の連携の促進,等に努める.また,公募班を取り込みつつ研究代表者を中心にグループを越えた連携を深めるために,シンポジウム・全体会議を企画し,研究の進捗を相互に把握できるようにするだけでなく,当該領域を発展させるための研究方向性を議論していく. 実証実験に関しては,最終年度の成果のとりまとめを意識しながら引き続き「日本科学未来館」や「EXPOCITY」,さらにはより多様な場所において,積極的に取り組んで行く.また,実証実験から得られる成果をもとに,グループ間の連携を深めつつ,新たな研究テーマの種を生み出していく. さらに,A04班を中心に複数のグループにまたがり,日本科学未来館の科学コミュニケータの協力を得つつ,ロボット共生社会における法と技術に関わるオンラインイベントを昨年度に引き続き積極的に開催することによって,領域内連携および社会連携を促進していく.特に,最近の大きなブームである大規模言語モデルについて,研究的視点だけでなく社会的視点からも議論する.
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