研究領域 | 生涯学の創出-超高齢社会における発達・加齢観の刷新 |
研究課題/領域番号 |
20H05800
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月浦 崇 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30344112)
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研究分担者 |
金子 守恵 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 准教授 (10402752)
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研究期間 (年度) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
75,660千円 (直接経費: 58,200千円、間接経費: 17,460千円)
2024年度: 20,670千円 (直接経費: 15,900千円、間接経費: 4,770千円)
2023年度: 14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2022年度: 18,850千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 4,350千円)
2021年度: 12,480千円 (直接経費: 9,600千円、間接経費: 2,880千円)
2020年度: 9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
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キーワード | 心理学 / 社会学 / 文化人類学 / 教育学 |
研究開始時の研究の概要 |
本領域は、従来の「成長から衰退へ」という固定的な発達・加齢観を刷新し、人間の生涯における変化を、多様な成長と変容を繰り返す生涯発達のプロセスとして明示することを目的とする。そして、人間に関する人文社会科学の多様な学問分野を融合することで、新しい学際的研究分野としての「生涯学」を創出する。その目的を達成するために、本領域では心理学、社会学、文化人類学、教育学を有機的に連携させ、基礎から応用までの展開を進める多元的な人間研究を実施する。本領域の親展によって、全世代の人々が豊かな人生を享受できる超高齢社会を実現するための科学的基盤と、その実現に必須の新しい生涯観を提供できると考えている。
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研究実績の概要 |
本領域は、「成長から衰退へ」という従来の固定的な生涯観を刷新し、その成果を社会へ還元していくことを目的としている。総括班は、この目標を領域全体として達成するために、その活動を推進することが重要な役割である。総括班では、①定説を打ち破り、新たな「生涯観」を提唱すること、②多様な研究領域を連携・融合すること、③新たな研究領域としての「生涯学」の国際的プレゼンスを高めること、の3点を柱として、その活動を推進している。 ①については、領域会議を開催し、新たな「生涯観」を提唱するために領域全体としての意思統一を進めることができた。特に2022年度からはようやく対面での領域会議を開催することが可能になり、計画研究および公募研究の代表者だけでなく、そこに参画している多くの若手研究者にも領域会議に参加してもらうことで、これまでよりも活発な研究活動が展開された。また、一般向けのアウトリーチシンポジウムも現地・オンラインのハイブリッドで開催し、多くの一般の方の好評を得ることができた。 ②については、領域内交流プログラムを実施することで、異分野の研究手法を学ぶ機会を企画することができた。また、領域内共同研究を推進するための助成制度を運用するだけなく、各研究分野の中での研究交流を推進するための各種研究会やシンポジウムも多く開催することができた。さらに、引き続き南東北地区の社会主事講習の中に本領域の講義を設けることで、地域の生涯学習を通して本領域の啓蒙も進めることができた。 ③については、若手を中心として領域内の研究者の国際的な発表を推進するために、オンライン・対面での英語プレゼンテーションコースの開催や、国際学会や英文校正費用の助成等の制度が活用された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初は、新型コロナウイルス対応のために、予定していた対面での領域会議などの開催ができず、領域内の共同活動に支障が出ていたが、2022年度からは徐々に対面での活動を始めることが可能になり、初の対面(ハイブリッド)での領域会議や若手支援、領域内交流プログラムなどを対面で実施することができた。また、国際的な活動を推進するための制度の運用や、本領域のコンセプトを社会へ還元するための試みについても、オンラインでの活動が中心ではあるが進められていることで、当初に予定していた活動は順調に進められていると考えている。今後は、これまでに推進してきた制度の運用を、これまでよりも対面で実施する方向に舵を切ることで、より「顔が見える」連携へと発展させていくと同時に、それぞれの目標に向けての新たな枠組みを設計して運用することで、これまで以上に領域の活動を推進していきたいと考えている。 以上のことから、現在までの進捗状況としては、「(2)おおむね順調に進展している」と判断することが妥当であると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の総括班の活動としては、当初の3つの柱に即した活動をより拡充して推進していく予定である。 ①については、引き続き対面での領域会議を実施することで、2023年度から新たに参加した後期の公募研究のメンバーも含めて領域内の共同活動を一層推進していくのと同時に、研究分野内の小規模な研究会やシンポジウム、共同での執筆活動を頻回に開催することで、領域内の意思統一を勧めたいと考えている。また、領域会議において、領域に含まれない研究分野の研究者や本領域に関わる現場での活動を進めている方の講演等を積極的に企画することで、本領域がめざす「生涯観の刷新」を領域内全体で統一的に推進していきたいと考えている。また、アウトリーチ活動についても、対面も含めたハイブリッド開催を進めることで、一般の方との交流を通した本領域の啓蒙をより一層推進したいと考えている。 ②については、これまでにオンラインで実施してきた「領域内交流プログラム」について、計画班を中心とするコアメンバーで対面で実施することで、領域全体へ連携・融合を波及させていくことを推進する他に、生涯学の社会実装へ向けて、特定の地方公共団体と連携した生涯学習プログラムの運用へ向けた計画をより一層進めていく予定である。 ③については、これまでに実施してきた国際的研究活動のサポートを継続して進めていくのと同時に、特に領域内の若手研究者へのキャリアサポートや研究技術サポートについても、総括班の活動としてイベントを企画したいと考えている。また、今後は本領域に関連する「国際シンポジウム」や国際英文誌への特集号を通して、国内外の研究者へ向けた本領域の国際的な活動も、これまで以上に推進していく予定である。
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